やっちまいました、ぎっくり腰。

身体はおっさん、心は少年。

三坂賢二郎です。

 

家の近くにある、行きつけのとっても美味しいパン屋さん。

若いご夫婦が営まれている、とても小さなお店です。

その奥様に、最近こんなことを聞かれました。

 

「演劇の一番の魅力ってなんですか。」

 

・・・一番?

それめっちゃ難しいんですけど・・・。

 

星のカンタータという作品。

ダロという少年。

皆。

創り上げていくなかで、今強く感じているのは、点と点の間の点。

同じ稽古場、同じ時間、同じシーン、同じ相手、同じ台詞。

なのに寸分違わぬものが出来ない。

一時間ちょっとの人生の一部の中に、数えきれない選択肢があり、その瞬間の刹那手前、一秒前、一分前、一時間前の選択が現在の自分を変えている。

ダロ君は作中ではあまりしゃべりません。

色々な体験を受け止めて、選び、最後に思いを打ち明けます。

寡黙な彼は、しかしとても豊かに鮮明に自分を変えてくれます。

 

これを何度も繰り返すことが出来る・・・自分にとっての、演劇を創り上げる際の喜びの一つです。

実人生は過ぎた地点に時間を戻すことが出来ません。

だからこそ真剣に、一瞬を生きている。

でももし、過去に戻れるとしたら。

未来を知れるとしたら。

どんな感じなのかな。

 

「演劇の一番の魅力ってなんですか。」

 

「毎朝大好きなパンを食べられることに似てます、多分。」