さて、ピアノ講師のメンテナンス依頼が
増えている今日この頃…。
この日の仕事は3年前から面倒みている
国産グランドピアノです。
メーカーの特徴、楽器自体がもつ個性を
引き出し、お客様の好みを反映するよう
調整にかかります。
前回アクションを重点的に整備したため
今回は鍵盤周りを…。ローテーションを
組みながらメンテナンス作業を実施して
快適なコンディションを保ちます。
チョークでチェック。
アクション、鍵盤を外して掃除!
チョークのメモに基づいて高さ調整。
キーピンの汚れ、べとつきを清掃。
膨張したキーブッシングを圧縮して調整。
動作不良を起こしていたダンパーを
ひとつひとつ外して調整しました。
鍵盤の高さを精密にリセット。
皆様のピアノはいかがですか??
A=442Hzにピッチ上げ
変化した鍵盤の深さをリセット、
黄色パンチング1枚くらい補充。
ハンマーと弦の距離を正確に設定。
ハンマーストップ調整、弦から15㎜に。
半音階を弾きながら音質をチェック、
気になる箇所に印を付けていきます。
メモに基づいて針刺し整音。
どの辺に針を入れるかは経験?
繊細なタッチが可能なセッティング。
ペトロフに限らず、一台一台のピアノの
個性を最大限に引き出すのが技術者たる
調律師にとっての使命となります。
ブランドはピアノメーカーだけではなく
技術者の手が入り初めて完成するもの…
楽器の個性を作るプレップアップ作業と
その状態を保持するメンテナンスこそが
真のブランディングではないでしょうか。
著名な作曲家やピアニスト達を起用した
プロモーションは楽器の本質とはまた別、
ピアノにとって大切なことを消費者にぜひ
見極めて欲しいと願う店主でした。