今年を漢字一文字で表現するなら、と選ばれた文字は「偽」であるという。 たしかに妥当な選択だろう。音楽の世界でも(日本では大して話題にならなかったが) Joyce Hattoの「偽装CD事件」もあったことだし・・・

 しかし知人に指摘されて気づいたが、よく見てみるとこの「偽」という文字、「人」と「為」を合わせた文字である。「人のため=偽」だとしたら、もともとの「偽」とは、相手のことを思っての偽り(適切な例がパっと浮かばないが「ガンであることを本人に告げないこと」がそういう例にあたるだろうか)に限定されていたのではなかろうか。そして悪意のある「偽」は、別の漢字で表現されていたのかも。たとえば「欺」とか「嘘」とか。 ふとそうしたことを考えてしまった。

 来年は「偽」のない年であってほしい。