「お父さんの説明が、

 悪かったんだな。。。。


 piano 。


 ピアノを完璧に

 弾けるようにしておけ、と言ったのは、

 piano の完璧なピアノの演奏を

 みんなに静かに聴いてもらうためじゃなくて、

 歌を歌う みんなのためなんだよ(笑)」


「。。。よく わかんない」


「つまり。。。


 これからみんなで合唱するために、

 歌の練習をするだろ?


 その時、伴奏する piano が

 上手に弾けなかったら、

 みんなが歌いづらいと

 思わないか??」


「。。。おもう」


「だから、担任の先生は

 みんなに歌を教える前に、

 piano に伴奏の楽譜を

 見せてくれたんだよ」


「。。。そうかな」


「そして、

 みんなに歌を教える前に、

 先生が piano の伴奏に

 合わせて歌うことで、

 『これから みんなが歌う歌は、

  こんな感じの曲だ』って

 聴かせたかったんじゃないかな」


「。。。ふーん」


「でも、担任の先生も

 勇気が あるぞ。


 piano に何も言わないで、

 突然 歌ったんだから(笑)」


「うん!


 あとで聞いたら、みんなが

 『先生、顔、真っ赤だった』って

 言ってた(笑)」


「それに、

 “今日” piano が

 うまくピアノを弾けるかどうかも、

 わからなかっただろうし。。。」


「 piano 、自信、あったよ」


「そんなの、

 先生には わからないだろ。


 そもそも、

 あの合唱曲の伴奏を

 piano が弾けるかどうかもわからずに、

 piano に楽譜を渡したんじゃないのか?」


「。。。そんなの、わかんない」


「それより、担任の先生は

 piano がピアノ弾けるって、

 なんで知ってたんだ?」


「。。。しらない」


「学校の先生は、

 なんでも知ってるのよ。


 きっと(笑)」


 母は、そう言って

 笑った。