ヌーベルコンサートの翌日の4月7日(日)には、北海道立函館美術館のホールをお借りして、ソプラノの次藤正代さんと、「令和6年能登半島地震災害支援コンサート コンセール・ドゥ・ソリダリテvol.15」を開催しました。
能登半島地震災害の支援として行うのは、2月17日の新函館北斗駅ほっとギャラリーでのvol.14に続いて、2度目となります。
今回は、北海道立函館美術館様と館長の辻俊行様に全面的にご協力いただき、行うことができました。
会場としてお貸しいただけないでしょうか…と、次藤さんと2人でダメもとで館長室にお願いに伺ったところ、その場ですぐに、「良いですよ!」とお返事くださり、それから本番まで、辻館長様のお陰で、すべてが流れるように進んで行きました。
当日は、予想をはるかに超えるお客様にお越しくださいました。
その数、約170名!
開場の1時間以上前からお待ちくださっていた方々もいて、開場したと同時に並べていた椅子はあっと言う間に埋まってしまい、美術館の職員の皆様が可能なギリギリまで追加してくださったそうです。プログラムも、何度もコピーを追加してくださったとのこと。
お仕事もある中、ご協力くださり、本当にありがとうございました。
いよいよ開演。
お客様の間を縫ってピアノへ。
1曲目のヘンデルのアリア「泣くがままに」を終えて、MCでマイクを持って話そうとしたとたん、立ち見してくださっているたくさんのお客様を目にして、思わずこみ上げてくるものがあり、泣きそうになってしまいました。
いかんいかん、まだ始まったばかりで泣いてる場合じゃない、次藤さんにも迷惑かけちゃう、立ち見のお客様たちのためにもどんどん進めないと!と自分に言い聞かせて、なんとか無事に話し終え、マイクを次藤さんにバトンタッチできました。
ずっと立ち見でお聴きくださった方々、とてもお疲れになったことと思います。でも、皆さん最後まで残ってくださり、嬉しかったです。
今回の他のプログラムは…
次藤さんの歌で「さくらさくら」をお聞きいただいた後に、平井康三郎がピアノソロ用に書いた「幻想曲さくらさくら」へ。
ルッツィのアヴェ・マリア。
ソリダリテを発足して以来、毎回、必ずと言っていいほどプログラムに入れている私たちの大好きな作曲家木下牧子さんの作品からは、展示中の函館出身の版画家前田政雄の作品の雰囲気に絡めて選んだ「風をみた人」と、東日本大震災で被災された方々に寄り添われたアンパンマンの作者やなせたかしの作詞による「さびしいカシの木」、「犬が自分のしっぽを見て歌う歌」を。
朝ドラの記憶も新しい服部良一の「蘇州夜曲」。
ピアノソロをもう1曲、ショパンのノクターンNo.2。
そして最後は、これも、ソリダリテでは必ず演奏している「故郷」。
演奏中は気づきませんでしたが、辻館長様が記録用に撮ってくださっていた動画を見ましたところ、「故郷」の演奏中、客席に、隣の方に背中をさすられながら泣きながら聞いてくださっている方がいて、後から、珠洲市にお家のある方だとお聞きしました。
私たちには想像できないいろいろな思いを抱えていらっしゃることと思います。
そんな中でコンサートにお越しくださったことに、心から感謝いたします。
予定していたプログラムを終了したところで、今回のコンサートで、私たちを全力で応援、支えてくださった道立函館美術館館長の辻󠄀俊行様をご紹介。
私たちにとって、アンパンマンも超えてしまうくらい強力な味方となってくださいました!
館長自ら記録用に動画と写真撮影までしてくださり、ここに載せている写真もそちらを使わせていただいております。
あれ?何か持っていらっしゃるけどあれは何?
美術館の皆様からの募金でした!
なんと、辻󠄀館長様の手作りだったそうです!
次藤さんと私を驚かせたところで、ここからはお客様へのサプライズ。
辻館長様にギターで加わっていただき、3人でアンコール♪
実は館長様、若かりし頃にはレコードも作られ、シンガーソングライターとして活躍、現在も、ご自身でYouTubeチャンネルもお持ちの方なのです。
一昨年まで函館市教育委員会の教育長をされていて、函館音楽協会や文団協等の行事でお見かけすることはありましたが、直接お話しする機会は無く、遠い存在の偉い方と思っていたら、とても気さくな温かいお人柄でびっくり!
その後、私が教育大附属函館中学校の3年生だった時に教育実習にいらしていて、しかも私のクラスの3Aに配属、国語を教えていただいていたことが判明!
そう言えば…確かにギターを弾きながら歌ってくれたかっこいい教生先生が居た…シングル盤のレコードのジャケット写真がぼんやりとよみがえってきて、でもあれは小学校の時じゃなかったっけ?と思い、同期で教職についていた(いる)友人たちに聞いてみたところ、「そうだよ~!前の教育長先生は、中3の時の実習生だよ!」って。
それが分かってからは、「館長」ではなく「先生」としか呼べなくなってしまったので、ここからはそうさせていただきます。
そのようなご縁もあり、アンコールで共演していただけないかとお願いしてみたところ、なんと、快く(ご本人は、私の勢いに断れなかったと思っていらっしゃるかもしれないですが)お引き受けくださったのでした。
曲目は、ニュー・シネマ・パラダイスのテーマ曲のメドレー。
こちらからお願いしておきながら、先生のご存知無い曲を選び、ギターの譜面も無いという過酷な状況に耐え、耳コピで練習してくださり、私たちの無茶ぶりに見事に応えてくださるので、当初の予定よりもどんどん弾く箇所が増えて、ついには、全曲通してずっと演奏していただくことに。
もちろん、本番は大成功!「館長さんがギターが上手でびっくりした!」という声の多かったこと。
辻先生には、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました!
当日行けないので…と事前にお預かりしていた分も含めて、皆様からお寄せいただいた募金は18万7963円となり、4月8日に、日本赤十字社令和6年能登半島地震災害義援金に送金いたしました。
ご協力くださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
被災された方々に、皆様と私たちの思いが早く届けられることを願います。
最後に、お手伝いしてくださった皆様と記念撮影。
調律は、小川ピアノ工房の小川進さんが無償で行ってくださいました。
当日、開館前の7時半から調律してくださり、長時間に渡って大変お世話になりました。
美術館のピアノはヤマハのS400B。元町のカフェ・ペルラにあったのも同じ型で、大好きなシリーズのピアノでした。
製造されてから30年以上経っていると思われますが、温度と湿度の保たれた環境に置かれていることと、小川さんの素晴らしい技術のお陰で、とても良い音を奏でてくれました。
小川さんの調律で、近い将来またあのピアノを弾くことができますように♪
コンサートを担当してくださった美術館の大下智一様。
お忙しい中、ご協力くださり、本当に助かりました。
私が一度ピアノをやめてしまい、10か月間だけ通っていた函館中部高校で同期だったことが分かり、これまたびっくり!
その後、私は再びピアノの道を目指して新たに藝高を受験、中部高校を中退したので、在学中に出会うことはありませんでしたが、これも、函館の狭さを実感する不思議なご縁でした。
受付は、次藤さんのお友達の大館美佳さんと、私の後援会事務局の大坂千晴さん&木村園さんが引き受けてくださいました。
2月の新函館北斗駅でもお手伝いしてくださいましたが、ソリダリテのコンサートにいつも駆けつけ、助けてくださる方々です。
温かいお心に感謝いたします。
これからも、よろしくお願いいたします。
今回のソリダリテのコンサートも、たくさんの方々に支えていただき、行うことができました。
一日も早く、被災地が復興することを願います。
おまけ:リハーサル中の美術館ホール(ロビー)。
天井も高く、素晴らしい音響です。