Nikon、何かおかしくない? | ファインダーの窓から  ― first stage ―

Nikon、何かおかしくない?

ほんとは今回のアップで写真を載せたかったのですが、
どうしても以下のネタを書きたかったので急遽変更です。



さて、「Nikon、何かおかしくない?」とタイトルをつけました。


何がおかしいの??と思われる方も多いかと思います。


僕がどうしても今回、これをアップしたかったのは、パシフィコ横浜で2月12日まで開催されていた
CP+という写真のイベントにタイミングを合わせて発表したと思われる、同社の新機種を見たからです。


あ、CP+には行って無いですが、ネットの情報を見ての事です。。




まずは、昨年秋に満を持して同社が発表したミラーレスカメラ「Nikon 1」を見てみましょう。


近年ミラーレスカメラは、その手軽な携行性からレンズ交換式カメラ、要は旧来のデジタル一眼レフに
取って変わって量販店でも売り場面積を占有するようになってきました。




いきなり結論ですが、この機種に採用されている撮像素子のサイズです。


撮像素子というのはデジカメにとって大切な部品で、フィルムカメラのフィルムに相当します。


要はこの撮像素子がキャッチアップした像が「写真」として写るからです。


Nikonはレンズの製造に於いては元来、蓄積された技術が有りますが、デジタルの撮像素子を製造するリソースを
保有していません。


自社では製造する技術が無いので、他社からのOEMという形で供給を受けています。
(撮像素子をOEMしているメーカーは噂ではNikonだけではありません)


これはミラーレスに限った話では無くて、同社のいわゆるデジタル一眼レフ全体に言える事です。


OEM元はソニー他という噂があります。




では、ミラーレスを販売している各社の撮像素子のサイズを大きい順に挙げてみます。


まずは、ソニーです。
ソニーはAPS-Cという、いわゆる普通のデジタル一眼レフでも使用されているサイズと同等のサイズの素子を
採用しています。


次に、パナソニックとオリンパス。
この両者は「マイクロフォーサーズ」という規格の素子を採用しています。


そしてようやくNikon。


最後にペンタックスの順になります。


ここに挙げたメーカーの中では現段階で一番最後にミラーレスを発表、発売したのがNikonです。


そのくせ大切な部品でもある撮像素子に力を入れていない。
なんか、手を抜いているという感がどうしても頭をよぎってしまいます。




コンパクトデジカメからのステップアップユーザーなどは、レンズ交換式カメラに対しては「無神教」でしょうから
知らずに選んでしまうのでしょうね。


それと、表現は悪いですが、デザインや色だけで選ぶミーハーユーザーとか。。


まぁ、レンズ交換式カメラは、当然乍らレンズが交換出来るという事がポイントなので、各社の交換レンズの
ラインナップの充実など、他にも商品選択の要素は有りますが。


僕がミラーレスを買うなら迷い無くソニーの製品にするでしょうね。
なにしろ、撮像素子のサイズが「写真」として物を言うからです。





さて、次にこの記事を書くきっかけになったプレスリリースでもありますNikonの「D800」シリーズです。


いかにも2月9日~12日まで横浜の「パシフィコ横浜」で開催された「CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2012」に
タイミングを合わせて2月7日にプレスリリースがありました。




フルサイズの撮像素子を採用していて、何とその画素数が約3630万画素なんですよね。


ちなみに、Canonのフルサイズ機でもある「EOS 5D Mark II」で2110万画素です。
それでも多すぎると思うのに、とうとう3000万画素オーバーになってしまいました。


初動価格は約30万円弱。


Nikonのフラグシップ機でもあり実売価格が60万円以上もする「D4」の画素数が1620万画素です。
ちなみにこの機種も35mmフルサイズの撮像素子です。




僕の意見なのですが、デジカメの画素数は1600万くらい有れば充分なのですよね。


パソコンで見る場合などはもちろん、A3サイズやポスターくらいに引き延ばしても1600万くらいあれば充分なのです。


いったい3000万画素以上あって何に使うと言うのでしょう?


それこそ、ビルの外壁一面に掲示する広告くらいの大きさならば、その能力も発揮されるかと思いますが、
プロのカメラマンを想定しても、その使用の範囲内で3000万画素を本当に必要とされる事はほとんど無いでしょうね。


一昔前のPCのCPUのクロック数競争さながらの、画素数競争。


いい加減、やめてほしいものです。




だいたい、一眼の画素数を指して「○○メガピクセル」と表示するのは辞めて欲しいです。
昔、まだデジカメの画素数が200万か300万だった頃には「ピクセル」とは通常は表示しなかったものです。
きちんと「○○万画素」と表示して欲しいですね。





さて、長々と書いてしまいましたが、Nikonのミラーレスの貧弱な撮像素子サイズと最近発表されたフルサイズ
一眼レフボディの過度の高画素。


ある意味、両極端ですよね。
カラフルで奇を衒ったデザインや、誇大なスペックは必要無いです。


もっと実使用に基づいて、現実的にユーザーが所有の喜びを本来の意味で感じられるカメラを作って欲しいと
切に願います。