劇団ファイ・カンパニーで演出を手掛ける大畑ゆかりによる演劇セミナー『せりふの時間』。

夏休みに行ったサマーセミナー2012の全日程が終了しました！

参加してくださいました皆様、ありがとうございました！

いかがでしたか？

今回は、セミナー日程の後半（29日）に行われた経験者の部の様子をご紹介します！

この日は、役者を目指して頑張っている学生さんや、フリーで活動している方、そしてファイに所属していた役者と様々な場所で頑張っている方が揃いました。

まずは基本的な発声から。

経験者の方達の場合、どんな発声や体の使い方をしているのか、そしてそれぞれついてしまった癖があるのか等を一人一人厳しく確認する所から始まります。

姿勢はもちろん、ブレスのイメージなどを細かく伝えながら、大畑の指導が入ります。

そしてすぐ、声を出す発声から相手に台詞として渡していく発声へ。

声を出す発声は、声の響きや滑舌、腹式呼吸を意識した発声です。

普段、しゃべる時にお腹がバコバコ動きながらしゃべったりはしませんよね？

発声は役者の準備運動といえるものですが、そっくりそのまま舞台上（芝居）で使うことはしないのです。

舞台上で自然と話せる体や声を作る。

そして、相手役と交流する（渡していく）ことを第一に考えていきます。

いくつか短い台詞が書かれた紙を渡し、どの台詞をしゃべりたいかを選んでもらいます。

そして、まずは発声を意識して、そして次にシチュエーションを変え、ファイの役者を相手役にして声を出していきます。

十分あったまった所で、次のレッスン！

ファイの作品を使って、本格的に台詞のレッスンに入ります。

この日は「夢ひとつ」より、物語の冒頭になるサンとルイーズのシーン。

「八月のバラ」より、アイシタイン博士と三人のモンスターたちのシーン。

そして、ベファーナの夢より、クライマックスのベファーナとヨイチの３つのシーンを行いました。

次々に役者の組み合わせを変えながら、繰り返しレッスンを行います。

今回、初めてファイのセミナーに参加する方もいたので、発声や台詞をしゃべる様子を見て、改めてレッスンで使う課題や内容、そして組み合わせ（キャスティング）も役者一人一人を考えて見直しながら行います。

気持ちの流れを大切にしながらも、舞台としての見え方なども細かく注意していきます。

短時間の内に大畑のダメ出しを吸収してどんどん変わっていきます。

その速さに驚きです！

その成長ぶりに欲が出てしまい、予定の時間を延長してレッスンを行いました。

セミナーの目的の一つとして、「役を通して、自分の気持ちを知ること」があります。

所属する劇団や事務所によってそれぞれのやり方や「色」があります。

『せりふの時間』は、演出の大畑の考えが息づくファイ・カンパニーの芝居作りを体験しつつのレッスンです。

しかし、役者の基本は同じです。

感じた想いを、その体や声を使って表に出していくこと。

演出家と役者、そして役者と役者がキャッチボールをしながらお芝居を作ること。

そして、ピュアな気持ちでその役を自分を通して生きること。

お芝居の中に出てくる役は、演じる役者を通して現実のものになります。

役が真実のものとして生きるのも、「お芝居だったね」と嘘の生き物になるのも演じる役者次第。

「せりふの時間」では、どの世界でも通用する役者としてのスキルを学ぶことも出来ますが、まずそこに行くために大切な『自分を知る』ことを実感できるセミナーだと思っています。

今回参加された皆さんにとって、少しでもそんな実りの時間のお手伝いが出来たらと思います！

「せりふの時間」は9月から本格的に始動します！

詳しい詳細は公式Ｗｅｂサイト、又はブログにてご報告していきますのでよろしくお願いします！

＜taKagi＞

サマーセミナーが終わりました。