先日、妊娠中や授乳中におけるレチノールやパルミチン酸レチノールの使用可否について質問を受けたことから、この美容成分について改めて紹介しようと思います。
レチノールとは、俗に言うビタミンAです。基礎化粧品に配合されるレチノールには、ターンオーバーを正常化したり、コラーゲン生成を促進したりすることによって、肌のコンディションを整える働きがあります。
一方、パルミチン酸レチノールとは、レチノールの肌浸透性を高める目的で、皮膚と同じ疎水性(水をはじく性質)を示すパルミチン酸という化学構造をレチノールに加えることによって、通常のレチノールと比較して肌浸透性を格段にアップさせたレチノール誘導体です。
期待される効果効能はレチノールと同様ですが、その度合いが段違いに大きく、パルミチン酸レチノールは、角質の厚化や硬化(角化異常)を治療する医薬品として使用される場合があるほどです。
さて、動物実験において、妊娠中にビタミンAを日常的に過剰摂取(1日1.5グラム以上)すると生まれてくる赤ちゃんに形態異常を生じる可能性が増加するという研究報告があります。この事実を知って、妊娠中や授乳中にレチノールやパルミチン酸レチノールを含む基礎化粧品を使用することに不安を感じる方が多いのだと推察します。
※一方で、妊娠中、ビタミンAの過剰摂取は好まれない一方、母体と赤ちゃんの健康上の理由から、少なくとも0.6グラム目安での日常摂取は推奨されます。
とはいえ、基礎化粧品に配合され、且つ薬事法で指定される濃度程度のレチノールやパルミチン酸レチノールであれば、妊娠中や授乳中に限らず問題なく使用できます。ご参考までに、妊娠中におけるレチノールの皮膚吸収と赤ちゃんの形態異常の因果関係について、現時点で科学視点からの報告はない状況です。
そもそも、基礎化粧品1日使用分に含まれるレチノールやパルミチン酸レチノールは微量である上、その内さらに皮膚吸収されるのはコンマ数パーセント程度です。この数字、ビタミンAの摂取上限を考えれば、無視して良い値というのは自明です。
パルミチン酸レチノールを配合する基礎化粧品として、ジープラス化粧品では例えば、GFローション50 、GFローション100 、Gジェル をラインナップしています。
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