レッド・ツェッペリン。

 

ハードロックというジャンルを明確に確立させたロック史上ビートルズに次ぐくらいの重要なバンド。

 

しかし大きな成功をつかんだバンドにとってよくある話ですが、どうもおんなじ路線に留まってはいられないようですな。

それはロックンローラーとしての反骨精神によるものなのか、あるいはアーティストとしての進歩を望むゆえのものか。

ファンが求める路線を行くか、オノレの進歩のために挑戦の道をゆくか…。

 

レッド・ツェッペリン。

 

このハードロックというジャンルを明確に確立させたロック史上ビートルズに次ぐくらいの重要なバンドが1st、2ndアルバムの成功によって獲得した多くのファンを戸惑わせることとなった問題作それが、

 

『III(さん)』。レッド・ツェッペリンの『III(さん)』。

 

さてこのIII(さん)がなぜファンを戸惑わせたのかというと、1st、2ndで確立した強力なリフを持つハードロックというスタイルをこのIII(さん)では抑え、アコースティックで温かみのあるサウンドがこのIII(さん)では強調されているがゆえ。そう、このIII(さん)では。

 

この急な路線変更にはバンドを取り巻く環境の変化が大いに影響しており、多忙なアメリカツアーの後、バンドはウェールズの田舎に引っ込み、じっくりと心に余裕を持って曲作りに専念していたようで、その田舎の美しい自然やゆったりと流れる時間がそのまま音に反映されてこのIII(さん)が生まれたようなのです。

といってもさすがに全編がアコースティックで統一されているわけではなく、ソリッドなリフを擁した『移民の歌』をはじめハードロックバンドとしての側面もしっかり残っております。

 

さて発売当初、ファンや批評家の間でIII(さん)は酷評されたようですが、現代ではIII(さん)はツェッペリンの重要なアルバムの一枚として評価されているようで、僕個人的もいかに1st、2ndと路線が変わったといっても、音楽としてこれほどのクオリティ、くさす理由などどこにあるのかと不思議に思うくらいです。

 

単純に今回はアコースティックでいってみよーというものではなく、そこにはしっかりとスピリットがあり、自分たちが体験した田舎の美しい自然の中での日々をこのIII(さん)では音というフィルターを通して我々に伝えてくれているわけです。だからこそこんなにもウェールズの田舎の風景が目に浮かび、空気を感じることができるのです。

そしてその精神はそのままロック界最高傑作と言われる『天国への階段』を収録した『IV(よん)』へとつながってゆくのです。

 

レッド・ツェッペリン。

 

ハードロックというジャンルを明確に確立させたロック史上ビートルズに次ぐくらいの重要なバンド。のある意味最も重要なアルバム。

それがIII(さん)。

 

なおIII(スリー)でもよし!