♂鈴木日美の食べログほどもないスイーツランキング


カカオ分50%。ほろ苦い甘さのダーク チョコレート。


甘い香りにカカオがコクを与えるようであり、その圧力はダーク72%の個性をミルクの風合いによりよりむき出しにしたとの印象。


舌触りからとろっとした柔らかさを感じさせます。
72%よりもいくらか柔らかいのが特徴です。


この作品は少し冷やし気味で頂くことをお薦めします。
冷蔵庫の野菜室から取り出して少し経ったら・・・くらいがちょうどいいでしょう。
その味わいは、口どけの中で冷やかにして緻密な酸味を感じさせる点が人気のダーク72%との違い。
ミルクの個性をだしつつもミルクの特徴である風味の丸めを行わず、むしろミルクの持つ一番尖った性格を主張します。


ミルクが、カカオの個性に対立し、そしてトーンの並びから互いの個性を調和させようとします。
酸味の質の高さに意識を吸い込まれる作品です。
しかしその魅力はそれにとどまらず、次の瞬間にはさらにそこから苦味を浮きあげるのです。
厚みあるコクを感じる苦味です。
これはとてもカカオ50%とは思えないレベル。
いやこれより多くては駄目なのでしょう。


カカオの野性味を極限まで感じさせず、それでいてその個性を磨きこんだという印象をうけますね。
酸味と苦味が重なったその後味は、実にエモーショナルな余韻・・・。
ふっくらしたチョコレートのコクに、内包する風味の説得力を含浸させます。


総じて酸味が実に美味しく、またこの酸味が人間味に欠けると思えるほどの知性の高さをみせる感性度であり、それでいながら生命感を持ったかのような動きのある風味の躍動を演出します。


常温に近い温度では、ここで紹介した酸味を覆うかの如く、ボリュームのある甘味ががっちり主張され、透明感の中に感じるミルクとカカオの質の高さはやや失われ、大雑把な味わいにも思えます。
もちろんその甘みの質感も優秀ですが、慣れないと甘味ばかりに意識が注がれてしまいがちで勿体ないという気も・・・。


ちなみに余韻が生み出す世界は、いくらかの陰湿さと爽快さの交わる不思議な世界。
いずれにしてもミルクとカカオの生み出す酸味の質感が圧倒的に凄身を残します。


一般的にお薦めできるショコラティエらしいショコラ作品としては72%の魅力が上まわりはしますが、50%でこの内容、そして他の有名ショコラティエがと行くとする分野とかぶらない点でこの作品の意義は深いものがみられます。


パティシエの作る最高のショコラって感じなのかな?


間違いなく優良な作品。
感動できます。


いや、感動させます。


乳成分の個性をカカオの脇役と考えているショコラファンには、目からうろこの名作です。
ただし温度によってその表情が変わるというのは、良いところでもあり、悪いところでもあるように思います。ゴディバというブランドのスタイルからすると、ちょっとデリケートな甘みの表現過ぎるという気も。


それでもデリケートな甘みの表現などというものを達成できるブランドは他には皆無であり、やはり認めざるを得ない、多大な評価をせざるを得ない作品とは言えそうです。


-+-+-+-+-+-+-+-
ゴディバ 公式サイト
http://www.kataoka.com/godiva/index.html
ゴディバ カレ
http://www.kataoka.com/godiva/collection/carres.html
ゴディバ オンラインショッピング
http://www.godiva.co.jp/welcome.php
-+-+-+-+-+-+-+-