カカオ分72％。奥深い苦みが楽しめるダーク チョコレート。
迷ったらこれでしょう・・・って感じの定番にして説得力のある作品ですね。
口どけはキレを感じさせるほどのスピードは見せないまでも、安定した速度で、荒さのない滑らかな展開がなるほど高級なショコラの実力を思わせます。
生地のキメに乱れがないからこその無機質にも思える完成度・・・。
欧州のモデルさんの細すぎる手足コントラストの効いたアイメイク・・・、そこに感じる生活感の失われたエレガントさを、このショコラの風合いに覚えるのです。
舌触りに軽く酸味を添え、口どける直前に苦味をみせたかと思うと、しっかりとした深みのあるビターなカカオマスの表情でその味わいを表現します。
甘味は溶けて消える直前をハイライトとし、その刹那的な柔らかでふくらみのある性格は素晴らしく、いくらかトロッとした液体と固体のはざまのショコラの質感に完全なる調和をみせてくれます。
余韻で舌に溶け込む甘味と、その上面に重なりをみせる苦味の持つ深いコクの適度な二面性が秀逸で、上品さに主眼を置いた味わいに感動できるものといえます。
食べ終えたあとに呼吸を鼻から抜けば、1そこに見えるカカオの美しき香り・・・。
いや、それだけに終わらないのが、ゴディバの実力。
鼻から息を口内に送り込むと、すーっと抜けるような爽快なアロマが口いっぱいに広がり、カカオ畑を吹き抜ける清涼な風が吹き抜けます。
香りとは鼻ではなく口で味わうものだとは、私のコーヒーの師匠のお言葉。
それを感じさせる作品です。
常温でもギリギリ耐える設計にせざるを得ない、手土産スイーツとしてのハンデを持ちながらのこの内容は圧巻です。
素晴らしいショコラです！！
同シリーズでは最高のカカオ含有率を誇る85%にこそショコラファンの意識は向けられがちですが、72%のまとまりの高さは圧巻であり、他のラインナップを引き寄せません。
調和という実体のない言葉を、形にするならばこれしかない・・・、そんな印象の名作です。
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