♂鈴木日美の美味しいにもほどがあるスイーツランキング

口当たりは淡白でありますが、それ故に良質の卵によってこのフレーバーが生まれたことを確信させられるのです。


プリンそのものを十二分に意識した味づくりであります。


路線としては、玉子の柔らかな風合いとミルキーさを共に感じさせようとするパティシエのものに近いと言えるでしょう。
それにしても静かなるその序章は、透明感をしっかり感じさせ、内包するフレッシュ感を存分に楽しませてくれるもの。


終始良質さを主張するあたりに、材料に拘りの強いハーゲンダッツらしさを感じるところであります。
カラメルは酸味を強く内包するタイプの苦みと甘味が密になったものでありますが、それでも固い味わいとならないあたりが作りこみのしっかりしたブランド作品の様相。


ベースのアイスクリームと交わると、その量的バランスによっては中盤からカラメルの甘味が大きく膨らむために演出過大に感じることがあるも、基本的には互いを高めようという姿勢は感じます。ただし味の強さを押し上げようとする反面、ベースのアイスクリームが持つ卵の繊細さを感じさせる綺麗な味わいはやや荒っぽくしてしまうようで惜しまれます。


後味においてはカラメルは甘味よりも苦みとそれに伴う深いコクを主張し始めます。
最後までパンチの効いた甘味にしないことで、大人の夜を演出してくれるように感じられます。
大変美味しいフレーバーです。


しかし大いなる不満も。


それはプリンそのものの味に似せようという意識が強すぎ、いやそれをしっかり実現はしているのですが、これがアイスクリームファンにとっては何だか不満なのです。
プリンの好きな人間が、たまにはアイスクリームでもというときには最高なのでしょう。
しかしアイスクリームを愛する当方にとっては、プリンの方がまるでアイスクリームよりも優れたスイーツであるといわれているようなのです。なんでアイスクリームがプリンの物まねをしなくてはならないかということが不愉快なのです。


美味しいけれど、定番にはして欲しくないフレーバー・・・、その代表がこのカスタードプディングフレーバーであります。