マスカット・オブ・アレキサンドリアの果汁５０％という作品です。
つぶつぶみかんのような柔らかな食感のシャーベットではなく、同じ温度でもきっちり氷感のある固さをみせてくれます。
その味はグレープシャーベットよりも淡白で、みずみずしい軽快さに長けています。
後味にマスカットらしい丸みのある果実感を浮かせつつ、甘味を少しぽっこりとした風合いで捻出するその様子が、マスカット特有の癖を感じ、これが好きな人には堪らない、苦手な人には気になる味わいとなるところでしょう。
しかしすっきり感は、セブンティーンアイスクリームでも最高峰と言えるこのフレーバーは、何といってもその味のナチュラルさ、フレッシュさが違います。それ故に少し癖がある（私はむしろないと思えるものですが）果実味も全く違和感なく楽しめることと思います。
またその丸みあるマスカット特有の癖ある甘さも、丁寧に丁寧に舌の上を転がして口どけを楽しんでこそみられる味わいであり、実際には多くの方が実践するであろうガブリガブガブ系に食するとすれば、後味は酸味がキリリとしまり、その個性で甘味が主体とはなりません。しかもその酸味の美しくも綺麗な流れにすっかりこちらが溶かされてしまいそうといったところで、やはり軽快に食すのがこのフレーバーを頂く際の流儀なのかと確信する次第であります。
そしてついにハイライト。
溶けだした果汁を飲み込む瞬間、喉を抜ける際のその果実味が秀逸で、１２０円の自動販売機のレベルを超えています！ これで食感がもうすこしソフトで滑らかなら完璧だっただけに惜しいと思えるも、これは十二分、いや十三分の満足です。