抹茶とミルクアイスクリームの２層構造です。
抹茶は石臼挽き立てを思わす角のある味わいも、そのしっかりとした味わいゆえにアイスクリームの性格に馴染まない印象を受けるのはいつものハーゲンダッツ。グリーンティーフレーバーのまんまです。
何というかドロンと入ってビシッと渋みを出しつつもこんもりミルクが乗り込む感じですね。常に癖が先行するんです。
ミルクアイスクリームもまた相変わらずハーゲンダッツ。甘みを内から引き出すようなミルクの密度の高さと透明感を感じさせつつも旨みを詰み、さらには肉肉しいまでのキメのち密さを感じさせる素晴らしいものです。抹茶よりも食感は軽く、滑らかな風合いで、ストレスを感じさせないのも素晴らしく、やはり単独で勝負するべきフレーバーとすら思わせる実力です。
両方を味わうこのアイスクリームでは、後味にみせる抹茶の苦みとコクが、ミルクアイスクリームの個性により軽く上方に現れる印象で、さらりと抜けようとするミルクアイスクリームの個性より明るさを増し、また抹茶の風味を少し開放気味に示すことができるようになったと感じられます。
くどさを感じず、オリジナル抹茶フレーバーの後味で舌にねじり込むような排他的苦味も見られません。口当たりから丸みを感じさせつつ、そこに抹茶の味わいが出たり入ったりを繰り返すことで、緩急ある風味が展開されます。
オリジナルのグリーンティーは、その石臼挽きの抹茶のフレッシュ感が、ともすると野性味、少し悪く言えば荒っぽさもしくは乱暴さ、だいぶ悪く言えば粗雑さに感じられたのです。
それがミルクアイスクリームを伴うことで、石臼挽きの抹茶の風味の粒子の間でミルクがその肌を整え、それでいて挽きたての抹茶を思わす輪郭のしっかりした風味の個性は前に押し出すのです。
これは美味しいし、むしろこれがスタンダードフレーバーの抹茶がやるべき正解だったのではないでしょうか？
十二分に満足しました。