エスプレッソリボンは口当たり甘さ、そしてそれを上回るサーティワンアイスクリームらしい酸味の詰まったあの「美味しい酸っぱさ」を感じさせ、そこから滲むように苦味が生まれてきます。
コクが強く、舌にかるく貼りつくような質感の甘酸っぱさがあるために、主張性は強く、またクリームの持つミルク感を後味で大胆に高揚させる能力に長けているものでもあるといえます。
チーズアイスクリームもまた濃厚で、ニューヨークチーズケーキよりも甘みをしっかりと含みます。内包するコーヒージェラートを思わす帯びの風合いをその内側から滲ませることで、その反動で軽さと滑らかさを感じさせながら、それでいてチーズの持つ力強い旨みを遠慮することなく主役として舞台中央で踊らせるのであります。
コーヒーの味わいが清涼感を出していることが、その強い味わいをくどくは感じさせないという、計算の行き届いたレシピといえそうです。
この味わいは、流石はジャモカコーヒーフレーバーという不朽の名作を生み出すサーティワンアイスクリームらしい感性度でありましょう。そして同時にサーティワンアイスクリームらしい密なる酸味が美しいリボンの個性をも味わえるのです。
そのような意味では、
いかにもサーティワンアイスクリームらしい名作
と思えるフレーバーです。
スポンジはグニグニした食感です。コーヒー風味が施されながらも、しっかりとチーズのコクを内に秘め、むしろチーズブロックと思えるような食感と味わいで、このフレーバーの味わいにさらなるダイナミックさを加えるのです。
噛めば味がにじみ、さらには後味にコーヒーの風味が液化してこぼれていくような印象で、その旨みを拡散させます。
コーヒージェラートを思わせる部分よりも風味をより太く、そしてウェットな性格であることで、その個性をベースであるチーズアイスクリームに滑らかに添えることができ、さらには中途半端にハーヴィーさを持たないために、彩るというよりも溶け込むようにして、その豊かな共鳴を、ナチュラルな演出によって成長させるのです。
この完成度、極めて高いものであります。
そして同時にサーティワンらしさが炸裂しているところが嬉しいもの。
こんなに美味しいフレーバーは珍しいですよね!