この手のマーブルカラーのアイスクリームはシェイクにしてはいけないとは思います。
この芸術的カラーリングを壊すという点からももちろん、何よりシェイクにすることで味を混沌とさせる必要もないでしょう。
バナナアイスクリームとストロベリーアイスクリームの２つをマーブルに配置し、それぞれの味のコントラストと共鳴感を楽しむべきアイスクリームを、シェイクしてぐちゃぐちゃにするとは、３１アイスクリームへの敬意がまるで感じられない行為でありますよ。
ところが不思議なものです。
ここが３１アイスクリームの実力かと思いますが、このアイスをシェイクにしても、この２つの味のコントラストはしっかり残るのです。
いやむしろシェイクにすることでそれぞれの味を同時に別々に楽しめるかのようです。
口当たりにバナナの風味を感じれば、そこからリンゴを思わす酸味が立ち上がり、オレンジシロップのような蜜のように詰まった甘酸っぱさを感じさせながらストロベリーアイスクリームの優しくも丸い風味を浮かばせ、その後味には再び甘い柑橘系果実の風味、さらに余韻には舌に複数の果実味が酸味と甘みを濃縮させた形で転がります。
ストロベリーの風味を口当たりに感じれば、中盤にバナナアイスクリームのボリュームとコクのある丸い甘味がボンッと膨らみを感じさせ、ミルクの酸味が柔らかに舌を覆います。
基本的にはバナナの風合いをベースとして感じさせるこのアイスですが、時に甘口のバナナヨーグルトのような性格も見せてくれます。バナナとミルクの共鳴を軸に、ストロベリーの風味を複雑に変化させながら楽しむようなアイスクリームでしょうかね？
バナナという果実の風味そのものが、高級感を印象付けにくいものゆえに、高い評価を得られずに終わりそうなこの作品ですが、この風味の展開は最高レベルの計算高さ。
実はシェイクによって輝きを増すフレーバーかもしれませんよ！！