予約した心の病院での待ち合わせ時間は本当に長かった。
突然涙を流した妻がいても、何も(不思議じゃ無い&ここではあたりまえですよぉ。)と
妙な待ち合い席の雰囲気、見て笑う人もいて自分はとても困惑してしまった。
そして病院の診察を終えPHANTOMに帰った後、妻はベットで布団に包まりながら
上をうっすらと見て涙をためる。




(病院にて・・)




最初に女性のカウンセラーから簡単なアンケートを渡された。
(どうして病院に来られたのですか?)と簡単な質問があって
「心理チェックをしますんで、この紙にリンゴの木の絵(バウムテスト)を描いて下さい」と
妻が紙にリンゴの木の絵を描いているのを見て
最初は(何がわかるんだろう?)と思ったが・・後々先生に聞いて割と納得した。
心の病院の先生は歳は50ぐらいだろうか?
見た目も話し方も優しい感じがする先生だった。




(妻と二人。)




先生の前に座り、先生は妻の絵を見て「いい絵です。」と褒め
「大丈夫です、僕の病院に来なくなるまで診ましょう。」と話しをしてくれた。
最後に「お父さんの協力が必要です。」と言われた事も憶えています。
安定剤&色々な薬を貰ってお金を自分が払い・・
帰宅して妻に薬を飲ませ、涙を流しながら寝るまで
妻の顔を見ながら傍にいました。
それから子供達が学校から帰ってきたのでご飯の用意をして
宿題の手伝い、風呂、夕食を3人で過ごして夜。(疲れて・・)
妻のベットの横で床にモンベルの寝袋で包まって、寝ようとしたら・・・




(不意に。)







(もう・・アルプスも富士山も行けないよね。)状況を考えて、自分も涙が止まらなかった









なんとなく書くのを(やめようかな?)と思っていたけど・・
自分のブログを見返していたら「星空のクライマー」を書く気になってきました。
それに本当に元気になってくれたからかな・・心をこめて書く気になりました。
この頃は本当に大変だったんだよね~(涙)
雨の明神山あたりからね、富士登山を決めた御在所岳を経て
なかなか富士山に行けなく(病気を発症して)毎日あっという間に過ぎていった。(それで。)



(2011年9月頃。)



「私を病院に連れて行って・・」と部屋にこもった妻は言う。
電話帳やネットで調べて心の病院に電話で予約を入れようとすると・・
「1か月先の予約になります。」と言われ(需要がそんなにあるんだ。)と驚いた。
予約を入れて妻に「予約入れといたよ。夕飯はカレーでいいかな?」と部屋に行き聞くと
(なんでもいい・・不味いから私食べなィ!)と何で怒りっぽい?妻は布団の中にもぐりこんだ



(そんな日々過ぎて・・)



10月になり電話の予約入れた病院に行くと。
待合席は本当にいっぱい。
受付に行くと駆け込みで来たのか?自分と年齢が一緒ぐらいの父親が・・
「どうして見てくれないんだァ!」と家族を連れて受付嬢に文句を言っていた。
その時に(やだな・・この雰囲気)と思ったが受付を済ませ
何とか空いてる席を見つけて・・先に妻を座らせる。
本当にいっぱいだったから自分は席に座れなかったんだ。
待合席の真ん中に色々な本が置いてある。よく見ると・・
「初心者の山登り」とか「ハイキングに行こう!」とか山登りの本がやたらと多い。
その中のアルプスの写真の本を取り出し、立ちながらパラパラとめくると
(中央アルプスはバスとロープウェーでなんとなく簡単に行けそうだ・・)
とあさはかに思い、待合時間が長かったのを忘れて頭に叩き込む様に見ていた。(その間。)



(・・・・・)



妻が下の方をずっと見ていたのを自分は知らなかったんだ。
妻の隣の席が空き・・
アルプスの本を持ちながら「富士山はまだだけど。」
「簡単に登れそうだョ、中央アルプスに子供達連れて今度行ってみようかな?」と妻に聞くト。




「私は・・」








「ここ(病院)も山も行きたくなィ・・」病院で涙流して否定し始めた。(アルプス激闘編!続きます・・)








今日、会社から帰ってくると、BESSのカレンダーと案内の葉書を見て妻が言った。
「富士山が見えるキャンプ場に出撃YO!」どうやらキャンプイベントに突撃するらしい
それで仕事の休みを見てみるとヨク見ると(めずらしい休みだあ・・)とドンピシャ!
また富士山に会えるね(写真は2年前?富士山の前でパチリ。)

(今度は登らないか?)と思うとほっとした反面(もう1度登りたい)と複雑な気分。
あれから世界遺産に登録されて観光客ゥ!すごいんだろうな・・
「雪も被って綺麗なんだっろうな!」と楽しみになってきたあああああ!
よおし!キャンプ場で使える小さな薪ストーブ買うぞ!(家の薪ストーブは持っていくのは無理。)
寝袋、モンベルのあったかい奴に新調するぞ!と妻とはしゃいでいたら・・
長男が部活終えて帰ってきて「その日は試合だョ!」って行けない、早くも問題ができてしまった。






妻はスノーピークのギガパワー2WAYランタンの専用マントルを空焼きしながら自分に言う。
「昨日の夜は何をお願いしたの?」
何を願ったなんかその時、恥ずかしくて言わなかったんだ。
キャンプ場で星空観察をする夜、子供に今夜2時に起きて流星群を見るよ
「僕たちは絶対!流星群見るゥ!頑張って起きるゥ!」っと言ったのに
起こしても子供は爆睡&夢の中・・それで夜中の小さな目覚まし、星空の下で二人。

真北の方角見て「すご~い、いっぱい流れ星がくるね。」と
ローチェアに座り、この戸隠キャンプ場の夜は寒いけどビール片手に観察してた。
他の人も(きっと流星群を見てるかな)っと思ったが
人影すら何処のサイトも本当に無かった、そして小声で・・妻は
「私、1日でこんなに流れ星見たのは生まれて初めてョ。」と言うけれど
自分だって今日みたいに数えきれない程見たのは生まれて初めてだった。
願いは「パパがもっと給料もらってくるように・・」と聞こえて妻はやっぱり現実主義?
昔は公園でたった一つ流れ星に「結婚したいね・・涙」と願ったのに、叶ったのに
(こんなもんだァ、さみしいもんだ・・)ビールを一気に流し込んだ。
そして他のサイトに迷惑ならぬ様に点けたランタンのマントルが寿命か?破れ・・
「真っ暗になったね、テントに入ろうか~寒いよぉ」言ってテントに妻は入ってしまったが
自分の大切な願いとして(いつまでも一緒にいられるかな?)と願えば、無数の流れ星が流れた。




もうすぐ長男が学校行事で野外合宿(2泊3日)に行くので体育館で親子並んで説明会がありました。
大自然の方に向かい、飯ごう炊飯や山にハイキングへとアウトドア体験が目白押しらしい。
長男はポツリと「いつもやってる事ばっかりだ・・テント泊じゃないだけマシか~」言うが・・
「みんなで協力して楽しんでおいで」と自分は隣にいる長男に言った。
説明会は用紙を渡されてスライドで淡々と進んでいったが、野外活動で相応しい服装の説明で
モデルや先生が出てきて「スカートは駄目です!短パン、派手なカッコも駄目です!」と
モデルを指して説明して最後に「山をなめちゃいけません!」と大きな声で生徒に言い
目で見て分かりやすい説明があった。

そして野外活動に相応しい!と出てきたモデルは
Gパン&綿シャツ&スニ―カーと普通の服装で絶賛!&先生達は褒め称えていたが
長男は目を丸くして隣で「山登りにGパンで大丈夫か?」とスライドの急な山道見て自分に言う。
その時に(往復2時間か状況にもよるけど300~500mぐらいかな・・)と思い
(この服装だと雨でも降ったらえらいことになるだろう~)と不安になったが何も言えず
「まあ?若さで山に乗り切れるんじゃない?」と長男に冗談まじりに話したが、まじで自分は心配です。