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浦沢 直樹
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1)

★★★★★星5つ

浦沢直樹『20世紀少年―本格科学冒険漫画』 を読む


僕は、天才浦沢直樹さんの特徴は、実は



オーソドックスで骨太な物語の語り部



であるということにあるのではないのか、と思う。



というのは、オリジナル作品である『MONSTER』『YAWARA』『HAPPY』『PURUTO』等々は、


すべてパロディに自覚的で、非常に単純で「ありがち」な設定の反復になっている。


     

とりわけ、決してどれも独創性があるわけではない。


プルートは手塚治虫先生の鉄腕アトムの傑作『地上最大のロボット』と彼のRobotの考え方のベースにあるアイザック・アシモフのロボット三原則へのオマージュになっている。また『20世紀少年』も、オウムに代表されれる終末的な世界観では、あまりにありきたりな内容の反復に過ぎない。



いわば、駆け引きと刺激に慣れすぎた日本のドラマに飽きた世代が、03年ごろに韓流ブームでキスもしない純愛の韓国ドラマ『冬のソナタ』(ユンソクホ監督)に回帰したのに似て、断片的なパロディシステムではなく、骨太の物語への回帰をしているといえる。



では、それはレベルの低いということなのか?。



もちろん、読者であれば、これがたとえ漫画を小ばかにしている大人が読んでも、真にものを判断する知性があるならば、そのメジャ-級のエンターテイメントの力に脱帽するほどの作品であることがわかっているでしょう。。



しかし、そんな「ありきたりの設定」でなぜここまで、見事なメジャー的な人気を保てるのか?。



それは彼が骨太な物語の語りや漫画的手法の文脈を、洗練しているからではないかと思う。



いってみれば、



骨太の物語を語る上での浦沢的「文法」が極度に洗練されて構築しているから



ではないかと思う。


詳細は省くが、例えば新興宗教70年代のロック昭和時代の文物などノスタルジーのパロディ的引用(池袋のナンジャタウン!)に非常に自覚的だし、『パイナップルアーミー』『マスターキートン』で完全に自分のものにしたヨーロッパや世界を描く手法によるスケールの広がり等々だ。



とりわけ『MONSTER』以降の淡々と平坦に場面を描いておきながら



単行本で一気に読むとサスペンスとしての全体構造が見事なくらい神の視点



でまとめられているドラマツゥルギーの凄さは、読んでいる人には、一目瞭然だ。


かなりSFとしては、マイナーであろうこの作品など、非常に丁寧で連載では平坦で読み飽きてしまうこともあるにもかかわらず、熱狂的なファンが数多く存在し、それがカルトレベルをはるかに超えてメジャー級として扱われる点も、非常に異例な作家だ。


この「おもしろさ」の核心を短く言うならば、創造力の飛躍を核とするSFのセンスオブワンダーを含めて、骨太の物語を、


日常から浮き上がらない形でわかりやすく丁寧に構築する技量


を持っているのだ。そういう意味では、独創的なエンターテイナーというよりは技術者に近いのだが、逆に言うと骨太の物語の語り部こそが真のエンターテーナーなのではないかと、僕は思います。


ある意味今の作家の中では


質量ともにもう二度と現れない日本漫画文化の創始者天才・手塚治虫先生に最も近い存在といえるのではないでしょうか。


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もともとグルメ・・・・・というほどではないが、最近食のこだわりが増していて、それも記録しておきたいなと思った。もともと日記は好きなのだ。記録魔だから。


本日は、夕食を『オステリア アズーロ』 で食べる。


大好きなイタリア料理。


まだ評価をどういう指標で書くかが決まっていないので、本日は散文で。

H17年1月版の『おとなの週末』の300円台満腹ディナーという記事を読んで、行く。


一人3000円×2=6000円の「二人でシェアするコース」で食べる。

前菜2つ+パスタ+メイン料理+デザート+食後の飲み物

銀座で何か食べようと迷って、適当に見た記事で決めたのだが・・・・・・・・


これが絶品!!!。


まいった。運がいい日というのは、続くもので、昼の六本木の海南鶏飯食堂すごかったが、こちらも美味しい。久しぶりにうまいイタ飯にであった。


内容は、

「生牡蠣の前菜」

「エスカルゴ風ムール貝」

「ウニとアンチョビの平麺パスタ」

「本日のお奨めスズキ」

「デザート(ティラミス+ブドウのジェラード)」

「コーヒー」


とりわけ、ウニとアンチョビのパスタのソースが絶品。濃厚で、こんなに美味しいパスタは、久々に食べた。もともと僕は濃い目のガッツリした味が好きなのだが、もうたまんなかった。


あとは、イタリアのビールとミィデアムボディのハウスワイン(サクラヴィータ)で、したたかに酔う。

場所的には、少し裏手で見つけにくいが、まぁ探せばすぐ見つかると思う。

雰囲気は、南イタリアの家庭的な感じで、清潔感にあふれ、なんとなく地元の人が多く来そうな

感じが、なかなかよかった。

ちなみに、ウェイターからシェフまでイケメンぞろいなのが、やっぱおしゃれなところには、おしゃれな人が集まるのだな~と妙に関心。昼の六本木の海南鶏飯食堂も同じくイケメン揃い(ホリエモンのブログにも書いてあったし、TOKYO一週間にも同じことが書いてあったから僕の主観ではないだろう)であった。


ここは、間違いなくまた行く。

今度はランチでもいくので、そこでもまた評価したい。


必要金額は、3000円~6000円くらいかな?。

二人で行くと、3000円+酒で相当満足感と満腹感が得られる。


絶品でした。

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村社会という王国に公共性を持ち込む手法

著者: 堀江 貴文
タイトル: 僕は死なない

ホリエモンの評価というのは、難しい。


プロ野球新規参入にしてもフジテレビ買収についても、「そもそも当初の目的」はすべて失敗しているのだが、こと実はすべて取っている。

実とは、


①お金

②ポータルサイトのアクセス数


だ。そもそもライブドアは、ポータルサイト事業とファイナンス事業がその中核にあり、そのどちらにとっても、経営基盤は強化こそされ微動だにしていない。そういう意味では、経営的には、ほとんどマイナスは無い。また、プロ野球参入もメディア企業買収も、実はこれだけのお金があれば、いくらでもレバレッジをかけられるのだから、「いくらでもまだ次がある」という意味で、まだまだホリエモンの評価は、現時点(05.4時点)では確定できない、というところだ。


ただ、ホリエモンの登場の意味は、05.3月頃の支持率や理想の経営者若者のトップに上がっていることからも現れているが、僕は既得権益でカチコチな日本のなにかを吹き飛ばしたような、そこが抜けたような不思議な感覚を感じます。これは、もちろん世代によってメリットかデメリットかの感覚は異なると思いますが。

さてこの著書は、プロ野球の近鉄買収や新規参入の顛末を書いたものです。


『僕は死なない』もライブドアのポータルニュースもそうですが、リアルタイムで日本の既得権益層と闘いを見れるた!!。 これは実に面白かった。本がいっぱい出るのを見ると商魂たくましいなー(笑)と思うが、普段は大新聞やテレビメディアの記者と大新聞の社の方針という『思い込みと勝手な価値判断』で洗脳よろしく価値観を押し付けられるのが、今回の事件はその『両方の側』の視点が見れました。しかも書籍にまで出る、これは極上のエンターテイメントです。もちろん漁夫の利という形でライブドアの先行突破で開いた穴で得をしたのは、楽天とソフトバンクという情けない結果になっているので経営能力の是非はこれから試されますが。野球の話は、連日TVで大々的に放映した国民的関心事だったから、リアルタイムに形成されたイメージと実態の差が見れるこの本は、知的好奇心をかきたてられます。

無から有を生み出す金融技術によるM&Aは、マードックと孫正義さんのオリジナルであって、新興IT企業、ファンド資本主義としては、ごく基本のことです。なぜ、ここまで叩かれるか疑問に思っていました。いくつか本を読んで、インターネット放送のマル激を聞いて、やっと彼の核が見えてきた気がする。それはクールな経営者の視点を除けば


「村社会に公共性を持ち込むこと」


です。


「僕はいまの組織を解体したいんじゃない、公共化したいんです。」


というセリフに集約される。ルールのない日本の村組織にとって、最もイヤなのが透明性のあるルールの導入です。こういう「公共性への感覚」と「ビジネスセンス」を併せ持つ彼は、明らかに既得権益におもねっているこれまでの企業家たちとは違います。村社会の既得権益のおこぼれを預かる儀式に参加しない姿勢は、共同体主義の日本では許されない態度です。

例えばプロ野球(に限らずすべての野球関連の利権)は、内部で都合のいいルールをつくっていて、なんら普遍性もないことは偏向された報道でさえ見ていれば明らかでした。その場で適当な矛盾したルールを作っているのがミエミエでしたし。またニッポン放送買収も市場取引は合法でしたし、しかも上場企業でありながら防衛策を怠ったフジテレビが糾弾されないのはヘンだし、世論操作でそれを捻じ曲げようとする大メディアの洗脳政策は凄かった。よほど怖いのだな、と思った。

大メディアもプロ野球ビジネスもどちらも村社会で聖域化してきた部分で、老人たち上の世代の強大な既得権益で、新規参入が封鎖されていた部分だったんです。そこへ、堀江さんは単純にファイナンスのルールでエントリーしただけなんです。ただ聖域は、暴力、脅迫、威嚇で構成されているので、できても誰もチャレンジしなかっただけなんです。両方とも寡占市場だし国際競争を失っている領域だから利益が出しやすいという共通面もあります。プロ野球とメディア買収は、同じ共通点で抽象化できる。村社会に、ファイナンスの力を使って強引に入り込み、内部のウソルールを暴こうという姿勢です。そして、それはストレートに利益につながるでしょう。そう考えると、「暴かれる側」からのリアクショションが大きいのも理解できます。1400億もアブク銭を手に入れたわけだし、これからも彼の活動は続くでしょう。


まだまだホリエモンウッチャーは辞められません。

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採用活動に少し携わったことがある。リクルーターも、もう三桁は会っているんじゃないかなぁ。面接というのは、とても勉強になる体験だ。するのもされるのもね。
そのとき人事の担当者が、ぼそっと


「リクルートってスゴイんだよね。人事システムが、これでもかって会社の都合の良いようにできている。なのに、若くして会社を辞める(辞めさせられる?)人とか、期限限定付きでかなり過酷な条件であっても、「リクルートという場所で勉強させてもらった!、卒業したんだ(辞めたんじゃなくて!)」って、みんなが思っているんだよね。

「リクルートに入って、社長を目指そうぜ(=若くして辞め(笑))」って、口説かれると、優秀で自負のある学生は、みんなそっちに流れてしまうんだよね」って。
商品が情報であり編集であるというマーケットの特徴もあるのだろうけど、これだけ

①信じられない労力とお金を採用にかけて、

②しかも入った社員がものすごく競争的に駆り立てる仕掛け

がある会社はないだろうねぇ(過労死はなかったのだろうか?)。ただし、やる気と体力に溢れる若者にとっては、これほど最高にすばらしい会社は、たしかにないだろう。共同体社会のなあなあ企業が多い日本社会の中でも、これほど自由競争的な仕組みを維持している組織があるのは、すごいことだと思う。ちなみに、新卒採用にお金をかけて、若い力が自由に競争的に働ける仕組みをつくるという江副リクルート社が作り出した社風は、その後のリクルート出身者のビジネス界でのブランドとなり、なによりも宇野秀康さんが創設したインテリジェンスと、その社風をさらに受け継ぐIT系のサイバーエージェント(藤田晋社長が創設)が、その社風を色濃く受け継いでいる。ちなみに宇野さんは、リクルートコスモスの営業出身。差異化が困難な若い競争市場では、この社風は見事なビジネスモデルとして機能するようです。


でも、この採用システムは、ここでインタヴューを受けているリクルート出身者の若かりし頃のものです。今は時代も違う。ダイエーの資本もなくなりましたし。逆に言うと、これからのリクルート社がどこに向かうのかで、このような新卒採用にお金と力をかけて、安い給料で強烈な競争主義に駆り立てる代わりに、強大な自由裁量と権限を与えるビジネスモデルがどこに向かうかを知れるかもしれません。

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著者: 本田 透
タイトル: 電波男
僕は今の時代を、岡田斗司夫さんが『ぼくたちの洗脳社会』で主張する自由洗脳社会と認識しています。

それは資本主義社会と同様に「価値観」がマーケットによって選別される社会です。また同時にインターネットの存在により、一般社会では社会では生き残れないようなニッチな価値観も含めて凄まじい多様性が維持される世界です。だから、同じ事実から、どのような解釈(=価値観)を導き出し、宣伝するかが重要な社会です。これは確かに恋愛資本主義社会の、上層部に位置する女性たちの価値観(いわゆる酒井順子の負け犬論や倉田真由美の『だめんずうぉーかー』)に対する最下層男性側からの反旗ですね。

基本的に消費マーケットは、女性の側の価値観に支配されてきました。それは、まず消費の先導者が、長年女性だったからです。マーケティングや調査の対象であるリーダーは、女子高生や少女をターゲットにすることが慣習化しています。その理由は、


①そもそも近代産業社会の発明である1対1の結婚という制度は、男性を労働に縛りつけその再生産を女性を家庭に縛り付けることで分業化による効率の上昇を目指しました。しかし、いわゆるアメリカンウェイオブライフの象徴であった三種の神器的な、家電が家事労働の深刻さ(育児を除いて)激減させ、女性の時間を与えたことが重要な契機となりました。ようはヒマなのですね。


②また男性社会を支配する権力と金によるヒエラルキーへの女性への門戸開放が非常に遅れていること。女性にとって、社会的な金や権力は、自力で獲得するのではなく、それを持つ(狩り能力の高い)男性をゲットすることによる社会ステージの上昇が唯一の方法である時代が長く続いてきました。


もちろん上記は、男女平等の理念に反し道徳的のもいかがとは思いますが事実は事実です。本田透さんが主張するように80年代バブル以降「恋愛資本主義」に毒されているという主張は事実でしょう。フロムの人格がマーケットの交換対象になる議論を持ち出すこともできますが、議論よりもユーミンの音楽と柴門ふみ原作の『東京ラブストーリー』で「カンチセックスしよっ!」というセリフに代表される雰囲気は、体験している人ならばよくわかるでしょう。昨今の電車男のブームの、電通を代表とする広告代理店やマスメディアが、貪欲に利用することの予想はまさにドンピシャで、世のかなの原理が本田さんの主張する仕組みで動いているという仮説を補強します。なぜならば、これは「典型的な女性」を対象に消費をドライブする戦略だから、当然といえば当然ですが。この事実に対して本田氏は、「人格を売買の対象にすること」に対して拒否を宣言します。そして、無自覚にそれを肯定する「いわゆる典型的な女性層(酒井順子や倉田真由美の意見)」に対して、反旗を翻します。


彼の論拠が興味深いのは、

かつての消費の先導者であった女性に対して、オタク市場という自己完結型の市場を想定しており、その規模は既に社会全体に十分資するレベルの規模に発達していることを主張していることです。基本的に、市場は、金さえあればどんな価値感にもなびく。だから、これは重要な主張だ。電通や博報堂を頂点する既得権益も、おいしい市場こそが目的だからです。


最終的な結論は、これは早過ぎた鬼才・岡田斗司夫先生の議論の展開であって、ほぼ僕も賛成かつ同意見です。ただし、唯一彼から抜けているのは、同じ解釈で女性や少女から見た視点が抜け落ちていて、男性側の論理で完結してしまっている点です。消費や人格の売買を肯定する社会が、腐っていると看破するならば、オタクのように女性も「二次元の対象」を見つけてナルシシズムに陥ればいいのか?。マンガの『ルサンチマン』や多くのサブカルチャーが夢見たように、オンラインコンピューター発達と感覚刺激のための大脳システムの解明とインターフェイスの開発により、SEXまでできる異性の相手を得ることができるゲームは、あと10~20年で開発されるのは、資本主義のスピードから行って間違いあるまい。だから時代は止められないとは思う。

しかし実際この部分は、男性よりも社会的な搾取の対象である少女の方が強烈に敏感で80年代に中島梓がボーイズラブにハマル少女の分析として『コミュニケーション不全症候群』『タナトスの子供たち』を分析しています。僕も酒井順子らの負け犬議論は嫌いですが、居直る前の彼女たち(つまりは十代の少女で恋愛市場にエントリーさえできない女性たち)を、無視するのは議論が雑と思う。本田氏の議論は、ちょっと男性のキモメンオタク側に偏っていると思う。この議論の本質は、人格を金による評価をしている現実にはじかれた層が、どうやって生きていくかという部分に論点があり、それは男女や階層、地域を問わない議論な
はずだからだ。
著者: 中島 梓
タイトル: コミュニケーション不全症候群
著者: 中島 梓
タイトル: タナトスの子供たち―過剰適応の生態学


僕自身かなりオタクな人であるし、本田透の魂の叫びには、非常に同感する。わかる人には、死ぬほどわかる議論だ。3次元の現実に対する否定は、よくわかる。ニーチェもドストエフスキーも『アウトサイダー』のコリンウィルソンも、二次元に極まって行動至上主義的に行動へ転化を称揚しているが、そこには常にネチャーエフや都井のような現実社会への復讐で、大量殺人や大問題を引き起こす可能性も常に存在している。時代の流れは止められないにしても、こうした二次元の対象に対して強烈にコミットするナルシシズムを肯定して、テクノロジーでそれを維持する社会が、社会制度設計としてあるべき姿なのかは、僕にはまだなんともいえない。

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