あれから連日降雪があり、誰も「雪が少ない」とは言わなくなった。雪まつりも無事に終わり、スキー場も雪が増えて結構なことだが、北國在住の一般人に降雪は困難を増やす存在でしかない。
 自分のような闘病中の人間にとって体力を消耗する“雪かき”は死活問題だ。連日の除雪で今の体力残量が目減りしてゆき、抵抗力というものも比例して減少しているのだろう。吊られてか咳も出て来てしまった。
 一昨年倒れた時に肺炎も併発しより重い症状になったが、その後の治療により肺や呼吸器がある程度綺麗になったのだろう、昨年は呼吸の問題は起こらなかったのだが、今年は駄目だった。そもそも健常な時でさえ冬場は良く咳に悩まされていたのだから、体力のない今に咳が出るのは致し方ない事なのかもしれない。それでも、自分では気を付けている積りだったが、うかつだった。せっかく4月上旬並みといわれる気温になったこの数日も咳に悩まされた。自分にとってはいつものことだが、世間的には今非常にマズイ時期なので、見映え的にも気を付けなくてはいけないご時世だ。
 そして、咳ともども深刻なのは、劣化する味覚の問題である。これはもう原因不明。循環器内科の医師によると薬のせいではないそうで、耳鼻科医師によると、鼻・耳・口・舌に異常はないという。それでは真綿でゆっくり締め付けられるように鈍化してゆく味覚は何なのか?治療は無理なのか?なんか、体力の衰えとこちらも正比例して落ちていっているような気がして恐ろしい。今はほとんどの食物の味の50%も分かって居ないと思う。子供の頃から大好きだった食べ物がおいしく感じないというのは、非常に悲しい。
 今、味がわかる食べ物は果物、牛乳類、チョコレートなどの菓子類などである。だが、果物についても、これは気のせいかも知れないが、少しずつ鈍くなってきている気がする。
 面白いのは牛乳である。低脂肪牛乳と成分無調整牛乳の味の違いがわかること。自分でも全く不思議なことだと思う。
 さて、最後に本丸の血管の瘤による病状についてだが、やはり、除雪作業の影響はあるということが分かった。数センチ程度の雪の時はさほど体力に問題はないが、10センチを超える降雪が続いたり、20センチ以上の雪が降った時などの除雪作業は、体力的にも、足腰的にも、そして心臓の負担的にもあまりよくないことがよく分かった。ちょっとママさんダンプを押すのに力を入れると、知らず知らずのうちに、血管が早鐘を打つ。頭ではまだまだいけると思って居るが、体は休まないとと警告する。だから、途中でしばしのモグモグタイム。この場合お菓子というよりガムや飴玉となるが、あえて数分は休憩タイムを設けることにした。以前の自分の倍くらい時間をかけての除雪作業、なんとなく、悔しいのだが致し方ない。これも徐々にゆっくり慣れて行って、体力回復に結び付ける運動へと昇華できるようになればよいと思っては居る。