カセット・デッキを買って早速始めたのはエアチェック、友人から借りたレコードの録音の他に、ピンポン録音があった。Pioneer CT-3030Eにはマイク入力があったので、そこにラジカセからの音源をぶっこんで簡易ミキシングを愉しんだ。モノラルになるけど、4重録音までは聞ける程度の音質で再生できた。これが面白く、後々まで尾を引くことになる。まあ、ここではとりあえず、この話は置いといて、先へ進もう。
 大学へ入って、日常的にアルバイトを始めて給料をもらえるようになり、親を騙さなくてもオーディオを購入できるようになって来ていた。この頃のお目当てはもっぱらタイマー録音可能なカセットデッキだった。今の人たちには信じられないだろうけれど、この頃のオーディオ機器にタイマー内臓のものはなかった。だから、別にオーディオ・タイマーを購入しなければならず、そして改めてタイマー対応のデッキを揃えねばならなかった。

 そして、この頃購入したタイマーはパイオニアのPP-215(7,500円)だった。今のデジタル仕様ではなく、パタパタと回るアレだった。そして、メインのカセットデッキはAIWA AD-7500にした。
 購入先は大学生協の「オーディオ市」。市販価格から2~3割引いた値段だった。なぜこのデッキにしたかというと、まずはタイマー対応ということ。これは電源を入れた状態で録音・再生及びポーズ・ボタンを押してタイマーをセットすると、On時にポーズ・ボタンが上がって録音が始まると言う者だった。今思うと大掛かりなものだが、当時はまだこれが当たり前だった。 あとこのデッキにはVUメーター型ではあったが、テープ残量計があり、またVUの他にピークメーター +3dBと+7dBが付いてゐた。 LHテープについては、バイアス微調整ツマミにより適正なバイアス値を選ぶことができたのも魅力的だった。最後にこれに決めるのに、当時のCMで「フィギュア・スケート世界大会でカセットデッキとして初めて本機が選ばれた。という文言がひっかかったことも付記しておこう。
 エアチェックはこれで準備万端といえたが、それでもまだ不満はあった。不要な部分のカットの事だ。残念ながら、LPまるまる1枚オンエアしてくれても、A面、B面の初めにはアナウンスが入るし、民放ならCMも流れる。これをカットしたい。とすると、放送を流し録音してそれからダビングするのがよい、ということになる。それもできれば、音質を劣化させないでダビングしたい。ということになると、やはりオープンリール・デッキが欲しい。ということになる。それなら、どうせ買うなら“2トラ38”がいい。ということになる。2トラック録音再生、テープ速度38cm、26形リール使用でカッコヨクいきたいと思ったが、何せ価格は152,000円で、更にはオープンリール・テープはめちゃ高い。しかも“2トラ38”として使い続けたら、金がいくらあっても足りないということで、諦めた。で、以下にその夢の“2トラ38”機器、TEAC A-3300SX-2Tの写真だけでも納めておこう。




Devialet