万華鏡
 別にマニアといえるほど数を集めているわけではなく、詳しいわけでもないけれど、万華鏡の楽しみをお伝えしたい。
 自分の中で急にまた万華鏡熱が沸き上がったのは、何のことはない、事務所の近くに丸善が出来た為だ。先日少し触れた梶井基次郎の作品『檸檬』にも出てくるデパートの老舗:丸善は自分のお気に入りの空間だ。残念ながら、感じの良かった自社ビルを引き払い、のっぺらとして広いショッピング・モールの一部に越してきた訳であるが、場所の環境はともかく、置いてある品物のセンスとブランドの持つ雰囲気は自分にとって格別だ。(これはひとえに『檸檬』の影響が大きい。単純だなあ俺って。)

 先日書籍を買い求めに寄った折に、一見望遠鏡にガラスの翼を装着したような、(とっくに知っていたというお方も多いかとは思いますが)自分にとっては“新型”万華鏡を発見し、喜びと驚きの余り思わず「おっ」と声を挙げてしまった。

 先端のガラスのなかにはゲル状の溶液のなか、様々な色を装った星形や球形の物がゆっくりゆるやかに移動するので、くるっと回転させるとしばらく動画のようなゆるやかな模様の変化を自動的に堪能することができる。液体の移動の他に自分の手で回したり、左右に動かしたりするとパターンは無限大ともいえるすぐれたものだ。これは楽しい。できれば明るい日が射し込む窓辺で、お気に入りの音楽を聴きながら(ちなみに今日はBrian Enoの“Another Green World”)、ゆっくりのんびり覗き楽しむというのが至福の瞬間である。何とも言えず脳みそが気持ちよくなるのである。
 お仕事でお疲れの方、ポケットに忍ばせてお出かけになったらいかがかな?リフレッシュできますぞ。{何で最後じいさん調になってるんだ?}
万華鏡の画像


 [写真はウミウシみたいになってますが、万華鏡を覗いた画像です。下手でスミマセン。]