丸山明宏


 “Pops”という古い音楽雑誌(1964年2月号)をめくっていたら、芸能活動も思想活動もますます大活躍の美輪明宏さんの41年前の若々しい青年姿の写真が出てきた。当時はもうかなり認知されていた頃だと思うけれど、結構無理しなければならない時期だったのかも知れない。ここでは屋根の上でギターを奏でるなんていかにも若く凛々しい男性像として映し出されている。美輪さんがこのまま[無理して]年を重ねていったら、今とまた違った『美輪明宏』を見られたのでは、とか思うと少し楽しい。

 
丸山明宏

 昨年のリサイタルは丸山明宏にとって、ひとつの決算となった。その后住居も変えて、“第二”のスタートを切っている。もともとシスター・ボーイなどどいうレッテルは、稼ぎの手段だった。これからはもっと歌に密着したいという彼、作詞・作曲にみせる才気も高く評価されている。