女の中にいる他人


 またまた成瀬巳喜男監督の作品から。彼初めてのサスペンス映画と言われた『女の中にいる他人』。ものすごく面白かった。小林桂樹、新珠三千代、長岡輝子、三橋達也、草笛光子、若林映子、稲葉義男、そして加東大介と昭和40年代の映画やテレビでおなじみだった懐かしい顔ぶれを、この時代を生きた者として楽しんだからかもしれない。
 写真は「成瀬巳喜男死体コレクション」第二弾。杉本さゆりこと若林映子の絞殺死体。こちらは『浮雲』とは違い、美しいというよりリアルに見える死体。若林映子は死体姿ばかりではなくエキゾチックかつエキセントリックな魅力で華を添えていた。