本の表紙が気になって手に取りました。
高橋 克彦さん著『総門谷R 白骨篇』。装幀は横尾忠則さん。
横尾忠則

そして挿画を見てまたびっくり。イラストは吉田光彦さん。
吉田光彦

 高橋 克彦さんには申し訳ありませんが、今まで一度も著書を読んだことがありませんでしたが、今回俄然興味を惹き即購入しました。
 横尾忠則さん吉田光彦さんという天井桟敷を彩った偉人の共演に、年甲斐もなく興奮してしまった訳です。
 横尾さんはみなさんご存じの超大物アーティストなのでここで語る必要はないでしょうが、吉田光彦さんはおなじみでない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 吉田光彦さんは今は主に挿絵やイラストで活躍されているようですが、15年前くらいまでには漫画も描いていらしたのです。繊細でノスタルジック、そしてエロチックなその内容は秀逸で、特に初期短篇集の「ペダルに足がとどく日」は私の宝物です。
 漫画・イラストでともに息の長い活躍をされている丸尾末広さんや、ここ近年「耽美浮世絵師」と評されるほど評価の高い山本タカトさんの活躍が目立ち、吉田光彦さんはその影に隠れているような感じですが、自分の中では丸尾末広さんも山本タカトさんも、吉田光彦さんから生まれ、発展していったのではないかと勝手に考えています。
 吉田光彦さんのマンガは今ほとんど絶版になっていますが、機会がありましたらぜひ一度お読みになることをお薦めします。