中外製薬は4月23日、今年第1四半期決算を発表した。タミフルの売上高が前年同期から半減したことなどから、国内医療用医薬品の売上高は9.0%減の789億円だった。ここからタミフルの売上高を除くと、がん領域の売り上げ増加などにより2.7%増の680億円となる。

【国内医療用医薬品売上高詳細】


 好調のがん領域は288億円(12.1%増)。アバスチンが103億円(53.7%増)、ゼローダが23億円(76.9%増)と、大幅に増加した。
 一方、ハーセプチンは57億円(13.6%減)だった。同社の広報担当者は、4月の薬価改定で「市場拡大再算定」の対象となり、薬価が大幅に引き下げられることを念頭に、医薬品卸業者が3月分について買い控えをしたことと、それに対して値引きを行ったことを理由に挙げている。
 このほか、骨・関節領域は130億円(6.6%増)で、関節リウマチ治療薬アクテムラが26億円(73.3%増)と大幅増。
 また、アバスチンに次ぐ売り上げ規模の主力品、腎性貧血治療薬エポジンは、協和発酵キリンのネスプ/エスポーとの競争激化の影響で、87億円(7.4%減)だった。

 タミフルの通常売り上げは14億円(76.7%減)、行政備蓄分は95億円(34.0%減)と、いずれも大幅に減少し、全体では47.1%の減だった。広報担当者は、昨年11月をピークにインフルエンザ患者数が大きく減少しており、今年1月以降も患者数が少ないまま推移したことを原因として挙げている。

 第1四半期の連結業績は売上高871億円(8.0%減)、営業利益111億円(36.6%減)、経常利益121億円(46.9%減)、純利益79億円(42.8%減)だった。通期業績予想については、昨年通期決算発表時(今年2月3日)から変えていない。


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