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TOP 55 「はっきりと映像美を売りにした映画だと思う」級
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ミラーマスク (2005) イギリス・アメリカ合作
日本未公開の映画らしく知名度がほとんどない。
DVD屋で偶然見つけてジャケットの絵が気になって、説明を読むと影像が凄いと書いてあって確かに凄そうだったので衝動的に買ってしまった。
本当に影像が凄かった。
大げさではなく、ダリとかのシュルレアリスム絵画がそのまま映画になったような感じ。
↓ 普通のファンタジー映画とは趣きの異なるシュールなクリーチャーがいろいろわんさか出てくる。
↓ ちょっと怖い。
↓ 魚が空中を泳ぎ舞う。
↓ 筋肉モリモリの猿鳥。 こいつらなんと空を飛ぶ。
↓ 宙に浮かぶ双子の巨人石像
↓ でたー!いじわるな方のお母さん。怖いぞ
こちらは、シュルレアリスム系の絵画。
まさにこんな感じの世界観。
スペインのサルバドール・ダリ。
イタリアのジョルジョ・デ・キリコ →
ドイツのマックス・エルンスト
↓
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ロスト・チルドレン (1995) フランス 監督: ジャン=ピエール・ジュネ
テリー・ギリアムが「最も驚異的な映像だ。最高の映画!」と絶叫したという作品。
異様な世界観と映像美で「フランスのテリーギリアム」の異名をもつジャン=ピエール・ジュネ監督。
世間的には代表作とされる『アメリ』は同監督の中では例外的に無難に一般受けしそうな絵なので、個人的にはあまり好きじゃない
やっぱり変態監督には変態作品を作って欲しい。
まず冒頭での子供の部屋に煙突からサンタがやってくるシーン。
なぜか次から次へとやってきて部屋の中はサンタの大洪水。
いきなり変態テイスト全開。
オルゴールのメロディにあわせて暗殺活動をする蚤(ノミ)の超リアルな映像。
ゴシック調の古びた港町から海を眺望するアングルの絵。
ダークグリーンの海にポツンとそびえ立つ悪者のアジトの絵。
月の光によって暗闇から浮かび上がる映像は異常に妖しく美しい。
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Dr.パルナサスの鏡 (2009) イギリス 監督: テリー・ギリアム
モンディパイソン時代から独自のアート路線を追及してきたテリー・ギリアムがついにその世界観を究極の形で表現できたという感じの作品。1989年にやりたいことをやろうとした『バロン』では、製作費を使い過ぎて大変なことになったらしいが、それでもやっぱり稚拙な手作り感が残っていた。その後VFX技術が発展して、本作品ではついに彼の映像世界を完璧に映像化することがができた。
主役のヒース・レジャーが急逝して、後継ぎとしてジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルというそうそうたる面々が出演したという話題が先行したが、それがなくてもテリー・ギリアム流の映像を究極の形で実現した映像美傑作だと思う。