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Kierkegaard
試演まであと少し。がんばるぞ、とマヤは意気洋々である。


真澄の、婚約者であるとある深窓の令嬢の意地悪など、どこ吹く風の風情だ。


ひとり悶々するのが紫の薔薇の人である大手芸能社の社長である。


マヤは、演技が出来て幸せなのである。とある令嬢のとった行動は全て、

?マークで終わった。


「マヤちゃんご飯食べに行かない?」


桜小路という共演者に誘われた。


「彼女、待っているよ?」


マヤは、珠美という少女が待っている先を指差した、「はう」という声が聞こえた

ような気がするが無視した。


ふんふんマヤは稽古が順調で幸せである。


「はやく、紅天女になりたいなあ」と試演の日を指折り数えていた。


「マヤ様」


「あ、聖さん、こんばんは。あの、何か?」


「あの、主があなたに逢いたいと、言うのですが?」


「はあ?」


今更なあと思ったが、相手が私が知っているとは知らないし、でも、何でだろう、

まあ、いいかと思った。


マヤは、聖の連れて行かれたレストランに向い、当たり前だが紫の薔薇の人である、

真澄と対峙した。


「速水さん」(驚いたふりをした)


「俺が紫の薔薇の人だ、すまない、俺で」


「・・・」別に以前からわかっていたけど、正面切手言われると照れるかもしれない。


真澄は、暴走した。まあ、そういうことである。


翌朝、ベッドで真澄は、


「君が好きだ」


えーと、その、あれは?その言葉の後が適切だと思うがと冷静に分析したが、

今更時は戻せない。


「はあ、ありがとうございます」と答えた、真澄の目が点になったが、まあ、

終わり良ければ事もなしというし。


まあみんな幸せならいいのではないだろうか?


ちゃんちゃん。


***