【Perfume SS】 「太陽と」 (4/4)
「起きてー二人ともー」
「……んー」
いつの間に朝になったのか、一番早く起きた有香が二人を起こす。
「お日様とお月様~起きてー」
「………んー…?」
からかうような口調で、有香が二人を起こし続ける。
「二人が太陽と月ならゆかはなんなんじゃろねー」
「…………んーんんん!?」
のっちが大きい目をばちっと開いて、布団から飛び起きる。
その勢いで綾香が少し目を覚ましたようだったが、またもぞもぞと布団を被ってしまった。
「かっ!かっ!かしゆか、も、もしかして!!」
「何?」
「き、昨日の話…聞いてた?」
「うん。聞くつもりはなかったんよ。けどあ~ちゃんの鼻すする声が聞こえてね。のっちが泣かしとんのかと思って。」
「ちーがぁうよぉー!」
けろっとした表情で盗み聞き(?)を自白する有香を、バンバンと彩乃が叩く。
予想通りの彩乃の反応に、有香は満足そうに微笑む。
「で、ゆかだけ仲間外れなんー?」
「え、」
「あ~ちゃん太陽でのっち月で、ゆかだけなんもないの?」
「あ~~、」
彩乃があからさまにうろたえて目を泳がせていると、
「かしゆかは"空"じゃ」
『へ?』
寝ていたはずの綾香の唐突な声に、二人揃って驚く。
「…あ~ちゃん?起きてたの?」
「………………すー。」
「寝ちゃった。」
また規則正しい寝息を立て始める綾香を見て二人は思わず笑った。
「どういうことだろね?"空"。」
首を傾げる彩乃。
当の有香は大して気にしていなさそうだった。
むしろ、綾香がそう云った理由が自分なりに出せているようだった。
「今度、訊いてみる。……朝ごはん作ろうか。」
そう言いつつ台所へ向かう有香は、彩乃が久しぶりに見るほどの満足げな笑みを浮かべていた。
-おわり-