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思春期に多いダイエット障害―ストレスとやせ願望の奥にひそむ、摂食障害という心の病 (写真を見ながら学べるビジュアル版新 体と健康シリーズ)

おそらく、小中学校生向けに書いた本。
字も大きく、漢字にフリガナが振ってあり、絵や写真、図が多い。
カラーでページ数は、71ページ。
端的にかかれ、よみやすい。
摂食障害は本人のわがままでなく、心身症という病気です。心の問題を心で解決できず、体に症状として出るのです。進路や人間関係の挫折体験が積もり、本人のストレス対処能力を超えた時に発症します。

過食症の治療
1)生物学的体重を受け入れることから
体重は遺伝的に規定されており、有名なファッションモデルの多くは、生まれつき身長に比べて体重は少なめで手足が長いという遺伝子をもっていると言えます。つまり、強い意志でダイエッ卜して、短期間は異常なやせを維持できても、いずれ反動の過食衝動が出て、体重は遺伝的に決められた値に戻るのです。過食症患者はその自然の摂理に抵抗して、またやせようと悪循環をくり返します。本能との戦いですから、最初から負け戦です。

3)過食は安定剤であり、悪友であることを認める。
過食症患者は、「過食が憎い。過食さえ止まればすべで解決」と思い込んでいます。しかし、過食は、ストレスを発散する最も有効な方法になっています。食べている間、嫌なことを忘れられるので、快感にもなっています。過食を憎みながら、過食したいのです。過食をすぐにやめると、ストレス発散のために、暴力や自傷に走る可能性もあります。となると、過食は悪友と言えます。「いつもそばにいると困るけど、時には必要」です。付き合い方を考えて、どうしても耐えられない時には1週間に1回は過食してもよいと考えてもよいのです。次の日の生活に支障がないように、切り上げ方も考える必要があります。

4)予防に自分の癖やよい習慣を取り入れる
過食が起きるのはたいてい、学校や仕事が終わって帰宅後の夜、暇な時、ひどく疲れた時、昼間いやなことがあった時、家族が不在か、就寝後です。習慣化すれば毎日ですが。そこで、意図的に、夜の暇な時間に習いごとを入れたり、図書館で勉強して帰宅し、医師に処方してもらった睡眠薬を飲んですぐ寝るなどの工夫も有効です。歯磨き後には何も食べないという習慣がある患者は、食べたくなったら歯磨きをしていました。

コーピングスキルの未熟さが原因
摂食障害では、やせや異常な食べ方に注目しがちですが、それらは「結核の咳」で、この病気では必ず出てくるものであり、それだけを止めることはできません。
本症の病因は未熟なコ-ピングスキルです。発症前に本人が無理をしていたことを緩和したり、とらえ方を変えてストレスを減じたり、実は苦手だった友人との付き合い方を学んだり、本人が苦にしていた家族内の問題を解決したりして、やせに逃げ込まなくてもよい方向に導くと、おのずとやせと異常な行動も緩和されると認識するべきです。

ページ数が短いが、いろんなことが詰め込まれて書かれている。
そのためか、端的に断言して書いている部分があるため、当てはまらないと、不安になるかも。
私は、いろいろ当てはまりためになりました。
治療にあたっての家族の心構え
①拒食は、本人の”わがまま”のせいではなく、病気のせい。食べたくても怖くて食べられないし、異常な行動をコントロールできないことを認める。本人の性格や食行動を責めても逆効果で、摂食障害と本人を分けて考え、摂食障害から本人を守り、サポー卜することを考える。

②今までの状態では”心の過労死”寸前だったために、やせることでサインを出したのであるから、まず、心身を休ませる。

③これまでのギアで発症したので、”ギアチェンジの好機”と考えて、焦らせず、ゆっくり治すことを認める。

④本人の心理的負担になりうる家庭内の問題をできる限り解決し、親への信頼と安心を回復する。

⑤症状である異常な食事内容や食行動、体重には口出ししない。本人の、少量しか食べないのに”たくさん食べた”とか、やせているのに”もっとやせたい”という誤った認識に対して押し問答をしない。対応は医療者に任せる。

⑤しつこく”こんなに食べた”と言いはるのは”こんなに頑張った”と解釈する。反対に食事量が減った時は、”何か心配事があるのか”と気遣う。

⑦体重に見合った対応をする。低体重時には母親とのスキンシップを求めたがるので、それに対応し、”もう、~歳なのに”と自立を促さない。回復期には過干渉にならず、過剰な期待をかけない。また、”病前は~できたのに”と過去の栄光にとらわれない。






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