秋イワシのマリネ | ペンギン食堂 ~元プロの誰にもできるわかりやすいレシピ

秋イワシのマリネ

「イワシの旬は秋」

とはよく言いますが、実は脂がのっているのは夏

脂を落としながらじりじり焼いて食べたりするのが美味しいですね。


秋のイワシはやや身が締まっていますので、刺身で食べたり、油で揚げて食べるのも美味しい。


イワシは傷みやすい魚ですから、新鮮な状態で食べるのが必須です。

それを新鮮な状態で処理しておいて、日持ちさせるように考案された食べ方がいろいろありますね。


めざし

乾物

塩漬け

味噌漬け

油漬け


などなど


そんな中、秋のイワシにピッタリな食べ方が、マリネです。


塩で余分な水分を落として身を引き締め、お酢の殺菌効果によって長持ちさせる。

プリプリの状態を保ちつつ、お酢の酸味と油と塩で、イワシの旨味を引きだします。


今日は、ちょびっとだけ飾り付けにも工夫をしました


【材料(4人前)】

1.ちょっと小ぶりの、生食できるような新鮮なイワシ(8尾)

※イワシは、目が澄んできれいなものを選びます。

2.緑色のオリーブの実(スタッフドオリーブでOK)(8個)

3.ケッパーの酢漬け(8粒)

4.セロリ(粗みじん切り大さじ1)

5.エキストラバージンオリーブ油

6.白ワインビネガー

7.塩・黒こしょう

8.ニンニク、赤唐辛子

9.串が必要です(←飾り用)


【作り方】

1.イワシは内臓と頭を取って3枚におろし、バットに並べてまんべんなく塩をふります。そのまま30分おきます(冷蔵庫の方が良いかも)

※塩はちょっと多いかな、というくらいがちょうど良いと思いますよ

2.白ワインビネガーと水を1:1に混ぜておきます

3.1のイワシを、2の酢水でさっと洗って塩を落とし、キッチンペーパーで水気をふきます

4.イワシをチャック付の保存パック(ジップロックなど)に入れて、白ワインビネガーを浸かるくらい(50ccくらい)入れて空気を抜いてチャックし、冷蔵庫に入れます。

5.20分たったら、裏返してさらに冷蔵庫で20分おきます。

6.フライパンに潰したニンニク(1かけ)と、エキストラバージンオリーブ油(50cc)を入れて熱し、ニンニクの香りが出たら種を取った赤唐辛子(2本)を入れて火を止め、アーリオオーリオを作ります。(冷ましておく)

7.5のイワシをビネガーから引き上げて、保存パックの中のビネガーを捨てます。

イワシの薄皮を取り除き(新鮮なイワシなら、手でピーッと剥がれます)、粗みじん切りのセロリ(大さじ1)と6のアーリオオーリオ(ニンニクと唐辛子は取り除く)をイワシと共に保存パックに入れて冷蔵庫に入れ、一晩おきます


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ここまでが一日目です


酢漬けや油漬けをバットでやると、ビネガーがたくさん必要な上に、他の食材のニオイが移りやすい(逆に他の食材にもイワシのニオイが移りやすい)ので、保存パックがオススメです。

保存パックなら、ビネガーや油が半分くらいの量で済ませられます

これはシメサバとか作る時も重宝しますね。

ただし、安物の保存パックはちょびっとプラスチック臭がしますので、そこそこ良いやつを使いましょう。


しかし、最近は便利になりましたねぇ。


で、このまま1週間ほど冷蔵庫に入れておいても大丈夫です。

食べ頃はお好みですが、2日目くらいが良いかなぁ、、、、、、


<食べる当日>

1.ケッパーの水分をキッチンペーパーで軽くふき取ります

2.イワシを保存パックから取り出し、1尾に対してケッパーを1粒、くるくると巻物を巻くような感じで巻きます。

3.串にオリーブと2のイワシを交互に2つずつ刺して完成!




洋食の食前に、ちょっと洒落た前菜になりますね。


さっぱりとしたスパークリングワインと共にどうぞ


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【ぺぎをの「ちょっとコツのコツ?」】


質問をいただいたので加筆しました。

塩加減の「コツ」


塩加減というのは究極的には「料理人の腕」だと言われますので、コツと言うよりも「正しい方法」をマスターするしかないような気がします。
魚に塩を振り掛けるときには、

(1)塩をつける前に、少量の水を指先につける

(2)全部の指を一点に集めてから、指を外側にはじくように塩を振り掛ける

(3)食材の20cmくらい上から振り掛ける


小さい魚を使うときは、魚を並べるときに、隙間を空けて並べるほうが、ボクはうまくいくと思います。


マリネの場合、塩加減はやや多めです。ボクは結構白っぽくなるくらい使います。
酢水で洗うときに塩を落とすようにします。

あと、塩漬けの時間というのは、厳密には食材のサイズによって調整するべきなんです。塩の「浸透速度」を調整するためには「大きさ」ではなくて「薄さ」で時間を調整します。ぶ厚い魚は中まで塩が行くのに時間がかかるから長め、薄い魚は短めです。大きくても薄っぺらい魚は短めでいいんですね。


それから、、、

裏技があるんですが、、、、、、


ボクが考えた裏技で、うまくいかない事もあるので苦情は受け付けません(笑)


1.時間短縮法(←塩加減を調整する方法)

塩の浸透と酢の浸透を同時にやっちゃおうっていう技です。

塩の働きは身を締めるのはもちろんなんですが、味付け旨味を引き出すという意味合いの方が強いと思います。それを、食材の品質を信じて(笑)魚にがんばってもらう方法です。

方法は、3枚におろした後で濃い目の塩水にさっとくぐらせてすぐに水気を拭き取り、塩を小さじ1/2(←味付けは調整してくださいね)ほど入れたビネガーにいきなり漬け込みます。


2.塩水を使う(←きれいな状態を保ちたい)

魚を洗うとき、おろすとき、とにかく使う水はすべて「冷やした塩水」を使います。

手のぬくもりが魚の鮮度を下げますので、たくさんの魚を処理したり、もたもたしていると色が悪くなるし、味も落ちます。冷水を使うことで多少は軽減されると思います。

また、水溶液中ではいろんな成分や水分が移動するときは、

成分は濃い方→薄い方へ

水は薄い方→濃い方へ

と移動しますので、真水を使うとどうしても魚の側から水の方へと旨味などが逃げ出し、逆に水が魚のほうに移動してしまいます。

だから、塩水を使ってその移動速度をゆるめるとうまくいくことがあります。


3.とにかく「手早く」

ビネガーを使うと、組織が変化を起こしますのでどうしても透き通ったままの状態を保つのが難しいですね。工夫とかはあんまりないんですが、「とにかく、手早く作業する」というくらいでしょうか。他の要因で色が変わるのを防ぐというところですかね。

釣った魚なら、生きたまま(元気な状態で)持ち帰ることができればいいんですけど。

釣ったその場で調理するのが一番なんですけどね。。


あとは、たっぷりのオリーブ油に漬け込むことかなぁ...


でも、マリネは多少は色が落ちる食べ物だと思ってるんですが、、、、




<塩にこだわってみる>

塩も最近はものすごく種類が豊富です。

そのミネラル分によって味も違うし、当然、下処理をする段階でもその成分の違いが出来栄えを変えてしまうコトだってあります。

でも、一番のポイントは「塩の粒子の形

粒子の細かい塩は、同じ体積だと思ってもその量は多いです

粒子の粗い塩は、少ないです

しかも、下味をつけるときの塩は、粒子の細かいものは表面積が大きいので、当然浸透速度が速いし、荒いものは遅いです。

あとで塩気を落とすから気がつきにくいかもしれませんが、残っている塩の大きさなどを観察するとわかると思います。粒子の大きいものは、まだ形を保っていますが、小さなものは消えてなくなっています。つまり、それだけ浸透した塩の量が違うってコトです。

だから、浸透速度を調節する方法として、粒子の粗い塩を使うことで、やや遅らせることも可能です。


同じ「小さじ1」でも塩の種類によって違うんですね!

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まぁ、そんなこと気にしてたら家庭料理はできませんが...


また、ミネラル分によって舌が感じる味も異なります。

簡単に言うと「塩辛い」と感じるのは、ナトリウム分の多い塩、「苦い」と感じるのはマグネシウム分の多い塩です。これも、塩をなめたときの味と、調理に使ったときの味は違いますので、使ってみないとわからないんですがね。。

その辺は難しいんですが、いろいろと試してみて、食材や調理方法にあった塩を探し出すのも面白いかもしれませんね。


ボクは下処理には、業務用の「並塩」か普通の「食塩」を使っていますけど、粗めの岩塩とかを使うのも「使える技」かも知れませんね。


ただ、並塩や食塩以外の塩は無意味に高すぎるものが多いのであまり使いたくありません、というのが個人的な感想です。


ちなみに、個人的に長崎の「とっぺん塩」は好きです(^ ^)