雑誌で見た記事より。


☆グアルディオラ、ギブアップの真意


現在リーガでは首位のレアルが2位バルサに勝ち点差10をつけて独走する状態が続いている。「2年目のモウリーニョは強い」と言われるように、今季のレアルは異常な強さを見せている。バルサ戦を除いての話だが・・・。


そして現在2位のバルサを率いるグアルディオラ監督がまさかのギブアップ宣言をしたというのだ。ギブアップを宣言したのは2月末のリーガ・アトレティコ戦後の事。試合はシメオネ率いるアトレティコに苦戦しながらも2-1で勝利。ギブアップを宣言するような空気では無かった。グアルディオラがギブアップ宣言したのには訳がある。


グアルディオラは今季の審判の判定がバルサに不利になるように働いているというのだ。判定をめぐってのホットな話題といえば、3日のスポルティング・ヒホン戦でのピケの一発退場だ。それも後半早々の一発退場だったので、バルサ側からすればたまったものではない。なぜこんな事になったのか。


ピケはハーフタイムにあるプレーの事で主審に抗議したのだが、その時主審が「黙れ!お前を退場にするぞ!」と脅したというのだ。そして後半早々の退場。確かにピケのプレーは相手のビッグチャンスを阻む悪質なものに見える気もするが、一発退場の判定は少し厳しすぎる。


さらにグアルディオラはメッシとペペの今季の通算イエローカード数が同じというのが納得いかないようだ。今季ここまでメッシとペペは共に5枚のイエローカードを受けている。ラフなプレーが目立つペペに対し、メッシはファールを犯すようなプレーヤーではない。逆に倒される側だ。そんな全く正反対の2人のカード数が同じというのは少し解せない気もする。


グアルディオラはあまり公の場で審判を否定するような監督ではないが、最近は審判を批判するコメントが目に付く。「我々はレアルに10ポイントも差をつけられるようなサッカーはしていない」とコメントしたらしいのだが、これは審判の不可解な判定がレアルとの勝ち点差に繋がっていると言っているようなものだ。


こんな面白いデータがある。スポーツAS紙は毎節終了後に「今週の怪しい判定」を拾い上げ、引退したレフェリーにビデオで見せているらしい。その結果を基に順位表を作成すると、レアルとバルサの勝ち点差はわずかに3だという。審判の判定ですべてが決まる訳ではないが、引退したレフェリー軍団もバルサに不利に働く判定に疑問を抱いているようだ。


☆どちらに有利?


しかし、個人的な意見を言わせてもらうと、それは全く逆の話だ。クラシコでは常にレアルに不利な笛が吹かれ、いつも審判の判定をめぐって議論になる。前回の国王杯でのクラシコでも2NDレグで不可解な判定がいくつかあった。それは全てバルサに有利に働く判定ばかりだった。モウリーニョが試合後に会見で審判を批判するのは皆さんご存じだと思う。


モウリーニョの審判批判は徹底的で、駐車場で主審を出待ちまでして抗議するというのだ。最近はモウリーニョもおとなしくなったようだが、そういったモウリーニョの見えないプレッシャーが主審の考えを変えた可能性はある。


別に常にバルサが不利になるようにレフェリングされているとは思わない。現にアトレティコ戦ではPA内でのブスケツのハンドが見逃されている。どのような判定を持ってグアルディオラが怒っているのか分からないが、今まで何度クラシコで主審の笛に助けられてきたのか考えるべきだ。


今開いている勝ち点10差は何も審判の判定が理由だけではない。昨年から作り上げてきたスタイルが花開き始めたレアルに対し、今季のバルサは明らかにチームをいじりすぎている。完璧を求めすぎるあまり、チームのバランスが崩れているのだ。


それに今季のバルサはケガ人が多い。ビジャも重傷で離脱中だし、ペドロも負傷以降コンディションが上がらない。チアゴも負傷している。その代役をバルサはほとんど下部組織の選手に任せているのだが、まだまだ未熟でチームにフィットしきれていない選手も多い。バルサの不振はケガ人が多いからでもある。


そもそもこんな事を言ったら怒られそうだが、バルサの選手のシミュレーションをやめさせるべきだ。あまりにも露骨すぎて呆れてしまう。マスチェラーノやブスケツ、アウベスらのシミュレーションはヒドすぎる。


もちろんシミュレーションあってのサッカーだ。大いに主審の目をごまかしてくれても結構だ。しかしそのシミュレーションが毎回上手く行くのは解せない。そんな味方のシミュレーションを必死にアピールし続けるシャビやイニエスタも見てて残念だ。バルサは変なところに一体感がある。それが勝利への執着心でもあるのだが、なぜか腹が立つ。


今季またCLでクラシコが実現すれば、よく見ていていただきたい。一体バルサとレアル、どちらに有利な笛が吹かれているのか。ここ2,3年のクラシコを見てきた方なら分かるはずだ。レアルが苦しんできた不可解な判定に・・・。


今季レアルがリーガを制覇しても、それはレアルの実力であって、主審の笛によるものではない。もちろんバルサが優勝を逃したとしても、それは主審の笛によるものではないという事だ。