静止画の画?/div>
録画以外の機能としては,スクリーンキャプチャ(静止画の保存)やファイル操作などがあり,これらは付属のリモコンから行える。空き容量のチェックや画賶涓幞衰濠`などもリモコンから行えるので,非常に便利である。
また[RECALL]ボタンを押せば,録ったばかりの動画や静止画を,そのまますぐに再生ができるのも使いやすいといえる。PCベースのキャプチャ環境では,撮った動画を確認するだけでも,ゲーム機の前からPCの前に移動しなくてはならないなど慌ただしいが,本製品の場合は,ゲームをプレイしているテレビで,そのまま録画関連の基本操作を行えてしまうのだ。
動画再生中の操作は,普通のビデオ機器と同じようにリモコン側の再生ボタンや早送り/早戻しボタンで行える。スロー再生ボタンは一回押すと1/2倍再生となるがもう一度押すとコマ送りモードになり,十字キーの左右でコマ送り,コマ戻しまでおこなえる。録った動画をすぐにコマ単位で解析……といったような,かなりハードなゲーム攻略にも役立ちそうである。
実際の画伽悉い郅嗓韦猡韦?/h2>
なおその際に留意しておきたいのは,「USBストレージデバイス側にコピーされたファイルのタイムスタンプの時刻が,AVT-C281側の設定時刻からずれる」という点と,「NTFSのUSBフラッシュメモリへの書き出しが時々不正確なことがある」という点。
前者はシンプルにファームウェアの問題と思われ,後者はUSBフラッシュメモリをPC側でスキャンディスクすることで解決した。最初はUSBフラッシュメモリの問題か,あるいはFAT32やNTFSといったフォーマット種別の相性かと思ったのだが,複数のUSBフラッシュメモリ,複数のフォーマットでテストしても似た症状が発生していたので,これはAVT-C281側の問題なのだろう。いずれファームウェア更新で対応されると思うが,データをUSBストレージデバイスにコピーした際は,念のため再生してみて,正しくコピーされているかを確認しておいたほうが良さそうだ。
それでは撮影した映像を画伽搐趣摔铯堡茠鬏dしていこう。今回使用したプラットフォームはPlayStation 3で,使用したゲームタイトルはだ。また本製品の画伽虼_認するために,AVT-C281側の設定による3段階に加え,PlayStation 3側の映像出力を1080iにした場合と720pにした場合を検証している。
まずは1080iから。最低画伽扦?0Mbpsはあるので,主役となる車の描画が著しく劣って見えることはない。違いは,縁石や路面のような粒の細かい(周波数の高い)表現でのブロックノイズの多い/少ないに現れる。流れが分かればよいような映像ならば最低画伽扦鈫栴}ないだろうが,細かい模様や文字情報が多い映像を正確に記録しておきたい場合は最高画伽~対的にオススメだ。
720pにおいては,最低画伽扦猊鹰氓去飑`トが足りているためか,著しく画伽浃沥毪长趣悉胜ぁ藴驶と最高画伽尾瞍闲·丹い韦牵?20pでの録画は標準画伽扦纬S盲扦獠粶氦铣訾摔に激Α?br> それぞれ,以下に実際にキャプチャした動画ファイルを掲載しているので,ダウンロードして確認してみてほしい。
静止画JPEGでは,画僭O定の違いがかなり大きな幅で現れるようだ。一番下の画佶欹佶毪扦希胜坤椁圣哎楗签`ション表現がブロッキーになり,文字のような周波数の高い情報にも毛羽立ちが目立ち始める。よほどの理由がない限りは,静止画の記録は最高画伽沁\用するのが良さそうだ。
本製品は1080iや720pのようなHD映像を簡単に録画できることがウリの製品だが,コンポーネントビデオ接続ができるのであれば,480pのようなSD映像も,もちろん録画できる。初代PlayStationやPlayStation 2,初代Xbox,ゲームキューブ,Wiiなどがこれにあたるわけだが,PSPもそのうちの一つだ(ケーブルは別途用意する必要がある)。PlayStation Vitaが発売された今でも,とくに対戦系や協力系のゲームなどでは,まだまだPSPでのプレイが盛んなもこともあり,仲間とのプレイを動画として残したいと考えるプレイヤーは少なくないはず。そこでSD映像をキャプチャした例もお届けしておこう。
使用したゲームタイトルはPSP版で,HD映像のテストと同様,3つの画伽莿踊仓够蛴涘hしてみた結果を下にまとめてみた。
SD映像の画佶猢`ドと実際の画伽伍v係性はHD映像の720pのそれとよく似ていて,最高と標準の差はそれほど大きくはない。差がないわけではないが,標準でも十分な品伽盲椁欷皮い搿>仓够蟂D映像においても最高画僖酝猡狭踊瑥姢い韦浅S盲悉獎幛幛扦胜い坤恧Α?br>
なお,PSPからキャプチャした映像では,上下左右に黒枠が付いてしまっているのが気になる人もいるだろうが,これはなにもAVT-C281のせいではない。PSPの映像出力プロセッサがこのような映像を出力しているためで,どのキャプチャデバイスで撮ってもこうなってしまうのだが,このままだといささかみっともないのも確かだ。
残念ながらAVT-C281自体には映像のクロッピング機能などはなく,動画編集ソフトなども付属していないため,この黒枠をどうにかするなら,PCにコピーしたうえで,手持ちの動画編集ソフトでクロッピングするしかない。
筆者は「TMPGEnc Video Mastering Works 5」(以下,TMPGEnc VMW5)を愛用しているので,これに読み込ませてみたところ,本製品でキャプチャした映像は問題なく認識できた。MPEG4-AVC(H.264)の映像なので当たり前ではあるのだが,コーデック周りでトラブルがなさそうなのは,安心できる要素の1つだろう。
TMPGEnc VMW5には,上下左右の任意の領域をクロップして出力する機能があり,これを使って,先の素材をPSPの本来の解像度である480×272ドットに切り出したのが以下の映像だ。
クロップして映像前後にフェードイン/アウトを付けただけなので,どうということはないのだが,AVT-C281で録画した映像が簡単に編集できることはお分かりいただけるのではなかろうか。
さて,ここまでで本製品の基本的な使い方はご理解いただけたと思うのだが,1つだけ気になることが残っている。……そう「遅延」についてだ。
本製品は,ゲーム機とテレビの間に割り込ませるように接続する形態を取っており,かつメニューをゲーム画面にオーバーレイ表示さている。つまり,ゲーム機からの映像信号は,AVT-C281内部で画像処理されていることになる。となればここで何らかの遅延が発生するわけで,格闘ゲームや音楽/リズムアクションゲームのような反応重視,タイミング重視のゲームでは命取りになりかねない。
というわけで,4Gamerの映像系レビューではお馴染みとなりつつある,「LCD Delay Checker」と,カシオ製ハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FC150」を使った遅延計測を行ってみた。
テストに用いたテレビは,低表示遅延で名を馳せる「REGZA 26ZP2」(以下,26ZP2)と「REGZA 55ZG2」(以下,55ZG2)の2台だ。筆者の私物なので,同じ機種でないのはご容赦いただきたい。なお,栔イ媳硎具W延の公称値を公開しているので,その値を参考にすれば,異なる表示遅延スペック同士の比較でも,測定した値はそれなりに参考にはなる。ちなみに,公称値は26ZP2は1080p入力時,約0.2フレーム(約3ms),55ZG2は1080p入力時,約1.1フレーム(約18ms)だ。
まず測定したのは,1つのテスト映像を分配して26ZP2と55ZG2に直結した接続ケースだ。これは26ZP2と55ZG2の両者の表示遅延スペックの違いをあらかじめ把握しておく意味合いのテストになる。単純計算で55ZG2の方が約0.9フレーム遅く映るはずで,実際にも26ZP2のほうが僅かに進んでいる結果を見て取ることができる。
※小さい画面が26ZP2,大きい画面が55ZG2
※テスト映像に1280×720ドット…という記載が見えるが映像自体は1080iで出力している。1080pにしていないのは,今回の計測対象であるAVT-C281の最大入力解像度が1080iのため
続いて,ゲーム機の映像を分配機に入れ,ドラクエ10 RMT,その分配の一方をAVT-C281経由で26ZP2に接続し,もう一方を55ZG2に直結して計測した。すると26ZP2側に約3フレーム(50ms)の遅延が確認できた。26ZG2の方が,55ZG2よりも0.9フレーム分,先行しているはずなのに約3フレーム分の遅延が計測されるということは,実際の遅延は,約3.9(≒約3.0フレーム+約0.9フレーム)フレーム分ほどと推察できる。
ここで「なんだ遅延があるのか」と思った人は気が早い。実は,AVT-C281には低遅延モードに相当する「リアルタイムモード」が搭載されているのだ。このモードへの移行は,リモコンの右最上段の[MODE]ボタンを押すだけ。リアルタイムモード時は,AVT-C281側のメニューや情報表示のオーバーレイが消失するのだが,実はこれこそが本製品のパススルー機能に相当する。
このリアルタイムモードにて表示遅延を計測してみたところ,結果は約0.9フレーム差。なんと分配機で26ZP2に直結したときとほぼ同じ値となった。すなわち表示遅延が極めてゼロに近いということだ。
リアルタイムモードでは一切のメニュー操作が無視され,録画の開始と停止,静止画の保存のみになる制限はあるものの,遅延にまで配慮しているのは非常にありがたい。表示遅延にシビアなゲームを録画する場合は,録画開始前までは標準モードでメニュー画面をみながら操作し,録画開始直前にリアルタイムモードに切り換えるなどの運用がオススメだろう。
価格が1万円台前半ということもあり,正直なところ機能面ではあまり期待していなかった本製品だが,これがなかなかどうして。ゲームプレイの録画という用途にはかなり魅力的な製品と言えるのではなかろうか。なによりコストパフォーマンスは非常に高く,使い勝手が良いのも価値を高めている。
PCとの連動をあえて行わない割り切りは大胆だが,本体側での録画の安定性を重視すれば,PCからの切り離しは必要な仕様だったのだろう。USBストレージデバイスを介さなければならないのは若干不便ではあるものの,PCへのデータの受け渡しも可能で,大きな問題ではない。むしろHDキャプチャがPCを使わずできるようになったことで,これまでになかった機動性が備わった事を称えたい。なにせ使いたいシーンへAVT-C281単体を持っていけば,その場で録画できるのだから,便利というほかはない。
本製品で,唯一不安があるとすれば,入出力がアナログのコンポーネント端子のみである点だろう。マイコンソフト製のアップスキャンコンバータ「XRGB-mini」をしたときにも述べたが,AV機器のアナログビデオ入出力端子は,おそらく将来的には全廃されることになる。AVT-C281は現行のゲーム機と組み合わせて使う分には必要十分な性能を持っているが,映像機器がデジタルに完全移行した将来においては,使えなくなる可能性が高いのだ。
ではHDMI端子に対応すればいいのかといえば,そうともいえないのが難しい。HDMIを始めとしたデジタル映像は,基本的に保存できないのが普通だ。事実PlayStation 3のゲーム映像も,HDMI経由ではキャプチャは行えなくなっている。そう考えると,アナログ経由でHD映像が記録できる本製品は,今だからこそ存在し得る,時代のあだ花的な製品といえるかもしれない。
録画以外の機能としては,スクリーンキャプチャ(静止画の保存)やファイル操作などがあり,これらは付属のリモコンから行える。空き容量のチェックや画賶涓幞衰濠`などもリモコンから行えるので,非常に便利である。
また[RECALL]ボタンを押せば,録ったばかりの動画や静止画を,そのまますぐに再生ができるのも使いやすいといえる。PCベースのキャプチャ環境では,撮った動画を確認するだけでも,ゲーム機の前からPCの前に移動しなくてはならないなど慌ただしいが,本製品の場合は,ゲームをプレイしているテレビで,そのまま録画関連の基本操作を行えてしまうのだ。
動画再生中の操作は,普通のビデオ機器と同じようにリモコン側の再生ボタンや早送り/早戻しボタンで行える。スロー再生ボタンは一回押すと1/2倍再生となるがもう一度押すとコマ送りモードになり,十字キーの左右でコマ送り,コマ戻しまでおこなえる。録った動画をすぐにコマ単位で解析……といったような,かなりハードなゲーム攻略にも役立ちそうである。
実際の画伽悉い郅嗓韦猡韦?/h2>
では実際に,今回のテストでキャプチャしてみた映像をお目にかけようと思うのだが,その前に。本製品で録画した映像をPC上で扱う場合の方法について説明しておこう。 最初にPCとの接続は不要……と書いたのだが,AVT-C281は,そもそもPCとの接続手段が用意されていない。筆者も勝手に「できる」と思い込んでいたのだが,本製品はPCと直接は接続できないのだ。そのため,録画ファイルを保管する,編集するなどといった場合,動画データをUSBストレージデバイスに移したうえで,PCに転送する必要がある。
なおその際に留意しておきたいのは,「USBストレージデバイス側にコピーされたファイルのタイムスタンプの時刻が,AVT-C281側の設定時刻からずれる」という点と,「NTFSのUSBフラッシュメモリへの書き出しが時々不正確なことがある」という点。
前者はシンプルにファームウェアの問題と思われ,後者はUSBフラッシュメモリをPC側でスキャンディスクすることで解決した。最初はUSBフラッシュメモリの問題か,あるいはFAT32やNTFSといったフォーマット種別の相性かと思ったのだが,複数のUSBフラッシュメモリ,複数のフォーマットでテストしても似た症状が発生していたので,これはAVT-C281側の問題なのだろう。いずれファームウェア更新で対応されると思うが,データをUSBストレージデバイスにコピーした際は,念のため再生してみて,正しくコピーされているかを確認しておいたほうが良さそうだ。
それでは撮影した映像を画伽搐趣摔铯堡茠鬏dしていこう。今回使用したプラットフォームはPlayStation 3で,使用したゲームタイトルはだ。また本製品の画伽虼_認するために,AVT-C281側の設定による3段階に加え,PlayStation 3側の映像出力を1080iにした場合と720pにした場合を検証している。
まずは1080iから。最低画伽扦?0Mbpsはあるので,主役となる車の描画が著しく劣って見えることはない。違いは,縁石や路面のような粒の細かい(周波数の高い)表現でのブロックノイズの多い/少ないに現れる。流れが分かればよいような映像ならば最低画伽扦鈫栴}ないだろうが,細かい模様や文字情報が多い映像を正確に記録しておきたい場合は最高画伽~対的にオススメだ。
720pにおいては,最低画伽扦猊鹰氓去飑`トが足りているためか,著しく画伽浃沥毪长趣悉胜ぁ藴驶と最高画伽尾瞍闲·丹い韦牵?20pでの録画は標準画伽扦纬S盲扦獠粶氦铣訾摔に激Α?br> それぞれ,以下に実際にキャプチャした動画ファイルを掲載しているので,ダウンロードして確認してみてほしい。
静止画JPEGでは,画僭O定の違いがかなり大きな幅で現れるようだ。一番下の画佶欹佶毪扦希胜坤椁圣哎楗签`ション表現がブロッキーになり,文字のような周波数の高い情報にも毛羽立ちが目立ち始める。よほどの理由がない限りは,静止画の記録は最高画伽沁\用するのが良さそうだ。
SD映像のキャプチャももちろん可能。録画ファイルの編集も問題なし
本製品は1080iや720pのようなHD映像を簡単に録画できることがウリの製品だが,コンポーネントビデオ接続ができるのであれば,480pのようなSD映像も,もちろん録画できる。初代PlayStationやPlayStation 2,初代Xbox,ゲームキューブ,Wiiなどがこれにあたるわけだが,PSPもそのうちの一つだ(ケーブルは別途用意する必要がある)。PlayStation Vitaが発売された今でも,とくに対戦系や協力系のゲームなどでは,まだまだPSPでのプレイが盛んなもこともあり,仲間とのプレイを動画として残したいと考えるプレイヤーは少なくないはず。そこでSD映像をキャプチャした例もお届けしておこう。
使用したゲームタイトルはPSP版で,HD映像のテストと同様,3つの画伽莿踊仓够蛴涘hしてみた結果を下にまとめてみた。
SD映像の画佶猢`ドと実際の画伽伍v係性はHD映像の720pのそれとよく似ていて,最高と標準の差はそれほど大きくはない。差がないわけではないが,標準でも十分な品伽盲椁欷皮い搿>仓够蟂D映像においても最高画僖酝猡狭踊瑥姢い韦浅S盲悉獎幛幛扦胜い坤恧Α?br>
なお,PSPからキャプチャした映像では,上下左右に黒枠が付いてしまっているのが気になる人もいるだろうが,これはなにもAVT-C281のせいではない。PSPの映像出力プロセッサがこのような映像を出力しているためで,どのキャプチャデバイスで撮ってもこうなってしまうのだが,このままだといささかみっともないのも確かだ。
残念ながらAVT-C281自体には映像のクロッピング機能などはなく,動画編集ソフトなども付属していないため,この黒枠をどうにかするなら,PCにコピーしたうえで,手持ちの動画編集ソフトでクロッピングするしかない。
筆者は「TMPGEnc Video Mastering Works 5」(以下,TMPGEnc VMW5)を愛用しているので,これに読み込ませてみたところ,本製品でキャプチャした映像は問題なく認識できた。MPEG4-AVC(H.264)の映像なので当たり前ではあるのだが,コーデック周りでトラブルがなさそうなのは,安心できる要素の1つだろう。
TMPGEnc VMW5には,上下左右の任意の領域をクロップして出力する機能があり,これを使って,先の素材をPSPの本来の解像度である480×272ドットに切り出したのが以下の映像だ。
クロップして映像前後にフェードイン/アウトを付けただけなので,どうということはないのだが,AVT-C281で録画した映像が簡単に編集できることはお分かりいただけるのではなかろうか。
表示遅延ゼロのリアルタイムモードを搭載
さて,ここまでで本製品の基本的な使い方はご理解いただけたと思うのだが,1つだけ気になることが残っている。……そう「遅延」についてだ。
本製品は,ゲーム機とテレビの間に割り込ませるように接続する形態を取っており,かつメニューをゲーム画面にオーバーレイ表示さている。つまり,ゲーム機からの映像信号は,AVT-C281内部で画像処理されていることになる。となればここで何らかの遅延が発生するわけで,格闘ゲームや音楽/リズムアクションゲームのような反応重視,タイミング重視のゲームでは命取りになりかねない。
というわけで,4Gamerの映像系レビューではお馴染みとなりつつある,「LCD Delay Checker」と,カシオ製ハイスピードカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FC150」を使った遅延計測を行ってみた。
テストに用いたテレビは,低表示遅延で名を馳せる「REGZA 26ZP2」(以下,26ZP2)と「REGZA 55ZG2」(以下,55ZG2)の2台だ。筆者の私物なので,同じ機種でないのはご容赦いただきたい。なお,栔イ媳硎具W延の公称値を公開しているので,その値を参考にすれば,異なる表示遅延スペック同士の比較でも,測定した値はそれなりに参考にはなる。ちなみに,公称値は26ZP2は1080p入力時,約0.2フレーム(約3ms),55ZG2は1080p入力時,約1.1フレーム(約18ms)だ。
まず測定したのは,1つのテスト映像を分配して26ZP2と55ZG2に直結した接続ケースだ。これは26ZP2と55ZG2の両者の表示遅延スペックの違いをあらかじめ把握しておく意味合いのテストになる。単純計算で55ZG2の方が約0.9フレーム遅く映るはずで,実際にも26ZP2のほうが僅かに進んでいる結果を見て取ることができる。
※小さい画面が26ZP2,大きい画面が55ZG2
※テスト映像に1280×720ドット…という記載が見えるが映像自体は1080iで出力している。1080pにしていないのは,今回の計測対象であるAVT-C281の最大入力解像度が1080iのため
続いて,ゲーム機の映像を分配機に入れ,ドラクエ10 RMT,その分配の一方をAVT-C281経由で26ZP2に接続し,もう一方を55ZG2に直結して計測した。すると26ZP2側に約3フレーム(50ms)の遅延が確認できた。26ZG2の方が,55ZG2よりも0.9フレーム分,先行しているはずなのに約3フレーム分の遅延が計測されるということは,実際の遅延は,約3.9(≒約3.0フレーム+約0.9フレーム)フレーム分ほどと推察できる。
ここで「なんだ遅延があるのか」と思った人は気が早い。実は,AVT-C281には低遅延モードに相当する「リアルタイムモード」が搭載されているのだ。このモードへの移行は,リモコンの右最上段の[MODE]ボタンを押すだけ。リアルタイムモード時は,AVT-C281側のメニューや情報表示のオーバーレイが消失するのだが,実はこれこそが本製品のパススルー機能に相当する。
このリアルタイムモードにて表示遅延を計測してみたところ,結果は約0.9フレーム差。なんと分配機で26ZP2に直結したときとほぼ同じ値となった。すなわち表示遅延が極めてゼロに近いということだ。
リアルタイムモードでは一切のメニュー操作が無視され,録画の開始と停止,静止画の保存のみになる制限はあるものの,遅延にまで配慮しているのは非常にありがたい。表示遅延にシビアなゲームを録画する場合は,録画開始前までは標準モードでメニュー画面をみながら操作し,録画開始直前にリアルタイムモードに切り換えるなどの運用がオススメだろう。
これ1台でどこでもHDキャプチャができる便利さ
PCとの連動をあえて行わない割り切りは大胆だが,本体側での録画の安定性を重視すれば,PCからの切り離しは必要な仕様だったのだろう。USBストレージデバイスを介さなければならないのは若干不便ではあるものの,PCへのデータの受け渡しも可能で,大きな問題ではない。むしろHDキャプチャがPCを使わずできるようになったことで,これまでになかった機動性が備わった事を称えたい。なにせ使いたいシーンへAVT-C281単体を持っていけば,その場で録画できるのだから,便利というほかはない。
本製品で,唯一不安があるとすれば,入出力がアナログのコンポーネント端子のみである点だろう。マイコンソフト製のアップスキャンコンバータ「XRGB-mini」をしたときにも述べたが,AV機器のアナログビデオ入出力端子は,おそらく将来的には全廃されることになる。AVT-C281は現行のゲーム機と組み合わせて使う分には必要十分な性能を持っているが,映像機器がデジタルに完全移行した将来においては,使えなくなる可能性が高いのだ。
ではHDMI端子に対応すればいいのかといえば,そうともいえないのが難しい。HDMIを始めとしたデジタル映像は,基本的に保存できないのが普通だ。事実PlayStation 3のゲーム映像も,HDMI経由ではキャプチャは行えなくなっている。そう考えると,アナログ経由でHD映像が記録できる本製品は,今だからこそ存在し得る,時代のあだ花的な製品といえるかもしれない。
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