その文字を見かけたのは、もう数年前のこと。

父の入院先の病棟のナースセンターの壁に貼ってあった看護週間のポスターの一文が、今も忘れられないでいる。


『折れそうな、その心まで支えてみせる』


きっと。。。このポスターに載っているような、若くてまだ経験不足で自信がなかった新米だった頃の私なら、この言葉はかなり神妙に響いたことでせふ。


数年がたち、ベテランになった頃には、ちょっと恥ずかしいかなぁ。


そして、対象がヒトではなく、動物たちとそのご家族に変わって十六年目、もうナイチンゲール誓詞もすっかり忘れてしまった私。

その間には、兄の死を乗り越え、そして私自身も腹部大動脈腫瘍(血圧300オーバーの高血圧性肺水腫→心不全、肝不全、腎不全等の多臓器不全→DIC)が出来、その治療と後遺症から解放されてきたのは、ここ数年のこと。闘いの歴史は長いので略(苦笑)


長く生きていると、楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、、、いろんなことがあります。

きっと、これからも。。。ね。


長く職業のように患者さんをしてきた今の私なら、、どーかなぁ。

その子の気持ちになっちゃうことが多くって、飼い主さんとの距離を感じて、時にいけないいけないと思うこと多し。。。



死が避けられないペット達を前にした時、いつもこの言葉が不思議と浮かんでくる。


そう。いつも心の中でいろいろ葛藤し、自問自答している。


ん~。

『支えてみせる』って偉そうなことは、今の私には言えないなぁ。。。自信ないわ。。


でも、


今、この子にとって何が一番いいのか。

神様がくれた優しい別れの時間を、飼い主さん、その子がどう過ごすか。。

最後の別れのときには、悲しいだけではなく「ありがとう」ってお互い思えるように。。。

後悔がなるべく少ないように。。。


こんなことを一緒に考えていきたいと思う。これからも。

逃げ出したい時もあるけどね。



ねぇ。

Kちゃん、あなたが発病してあっという間にお空に逝って。。まだ一週間もたっていないよね。

やっと私も心の整理ができたところ。エリとくりちゃんと仲良くしてくれてありがとね。。。


昨晩パパが倒れて緊急手術をし、危篤って今朝聞いて驚いたよ。

どーしようって思っていたら、夕方、手術が成功し、意識が戻ってきたって嬉しい知らせが入ってホッ。


大のパパっ子だった、Kちゃん。

今回の運動会、真っ先に申し込み、ありがとね。。。

あなたが逝った後、ママが「パパが心配。元気になるお注射があったら打って欲しい」ってだんなに言っててたっけ。


今時のGRじゃなくって、泣き言一つ言わず、私たちを見ては笑顔を見せてくれた、パパママの自慢の息子だったKちゃん。


お願い。パパを見守ってください。

早く元気になって、Kちゃんの自慢話を聞きたいんだもん。


そんなことをあれこれ思う、秋の夜。




K兄ちゃん、僕たちとも遊んでくれてありがとね ^^ 

また、いつかどこかで。。



*:..。o○☆゚・:,。* 東麻生どうぶつ病院 *:..。o○☆゚・:,。*

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