パリからもどって

4ヶ月。


ようやく日本での生活も

動き始めました。


ブログは帰国以来、

すっかり更新が滞ってしまいました。

反省・・・。



フランスでの生活をお伝えしていた

このブログですが、

ここでいったん区切りをつけて、

日本での生活をお伝えするものを

新たに始めたいと思います。


新しいブログは、

こちら で始めています。

よかったら覗いてみてください。



今までこのブログを見てくださった皆さん

ありがとうございました。


これからも、よろしくお願いします。









京都といえば・・・・と

久々にお寺に足を運んでみました。





南禅寺 方丈。


行きやすい場所にあったこともあり、

大学時代から一人でよく来ていたお寺。


この枯山水のお庭を

いつも何時間も眺めていました。



ヨーロッパの幾何学的な庭園のような

目を見張る美しさとは違うけれど、

日本のお庭には、

見れば見るほどひきつけられるものがあります。





まだ桜の季節より少し早いこともあって

お寺は静か。


こういう時期を見計らって来るのが

いちばんゆっくりできて好きです。






北野天満宮は、

梅の花が美しく咲いていました。





有名な梅園のほうは、

もうほとんど花が終わってしまっていて、

行った日が、最終日になっていました。


でも境内の梅は、まだまだ見ごろ。


梅の花というと、

中国のお花見。

中国では、お花見というと

桜よりも梅を見るそう。

中国人は、華やかな桜よりも

慎ましやかな美しさを持つ梅のほうを

愛するのか・・・。


何かそこに、

感性の違いを見た気がしました。







帰ってきました。

日本。



そして故郷、京都へ。








いつ見てもほっとする、鴨川。


この川を見ると、

ああ、京都に帰ってきた、という

気持ちになります。





歩いているだけで、

なんだか気持ちが落ち着く

石畳の小路。


この街に戻ってきて、

帰国後しばらく地に足が着かない気持ちだったのが、

ようやく落ち着いてきました。








帰省するたびに立ち寄る

錦市場。


すっかり観光地化していますが、

それでも、この市場には情緒がある。

来るといつも、

その季節の京都がここにはあります。






目白押しの春の食材から

試してみたくて買ったのが、これ。


にんじん葉と

こしあぶら。


にんじん葉は、

いきつけのおばんさいのお店で食べて

すっかりほろ苦いこの味にはまってしまい、

胡麻和えにしてみました。


こしあぶらは、友人に教えてもらった山菜。

京都の産物ではないみたいなのですが、

他で見つけられなかったので、

やっぱり錦で購入。

天ぷらにして、山椒塩で食べてみました。

見た目はたらの芽なのですが、

たらの芽よりもほろ苦くて、上品な味でした。



ああ、春の味だ・・・・。


2年ぶりの、日本の春です。








明日、パリを発つ、という日。



フランスで飲む最後のワインを

あけました。






DOMAINE JEAN GRIVOT  ECHEZEAUX  2000


昼間は、「明日、日本に帰ります」と

仲良くしてもらったワインやさんを全部まわって

挨拶にいきました。

またすぐ帰ってくるんでしょ?といいながら

別れを惜しんでくれたムッシュたち。


一緒に記念写真を撮ったり、

お土産にワインをもらったりしながら

バスティーユのワインやさんで

この一本を購入。


「一度キャラフェして、10分たったらもう一度ボトルにもどしなよ」

とアドバイスされ、

夕食と一緒にあけました。



ピノノワールの綺麗な赤。

少し濃さもあって、とろりとした印象。

とても力強くて、

言われたとおりに2回キャラフェしても、

まだ開かない。


翌日、出発直前。

昼食後、デザートのフランボワーズを食べている頃

ようやく華やかな香りが広がり始めました。


木の香り、いちごの香り。

まだとっつきにくさもあるけrど、

昨日よりもまろやかで、深い味。

フランボワーズの甘酸っぱさが

さらにワインの味を引き立ててくれます。


このワインのことを知れたのは、

ここまで。

私が乗った飛行機が飛び立った後、

きっとこのワインはきれいに開いたのでしょう。





どんなに新しいことを知っても

まだ知り尽くせなかったフランス。


きっといつまでたっても

私をひきつけてやまない国です。


またすぐに来てしまうかもしれないけれど、

そのときは、胸を張ってこの地を踏みたい。

そのためにも、

私は日本で精一杯がんばろう。


誓いを胸に、

日本へ・・・・・・。

































住み慣れアパートを離れた日。



パリで一緒に食事し、ワインを飲んでくれた仲間が、

送別会を開いてくれました。





広いおうちをお借りして、

テーブルセッティングも素敵に。

いつもは私が作っていたメニューカードも

皆で素敵なものを用意してくれました。





私の好きなものたちが

ちりばめられた料理のオンパレード。


師匠が、腕をふるって

作ってくれました。


Toureaux decortiques et huitre, minestrone de betterave vinaigrette de aglumes


牡蠣とかにの身、Betteraveと柑橘。

酸でbetteraveはとても色鮮やかに変身。





Asperge verte et blanche<Pertuis> tartare, puree et son emulsion


大好きなホワイトアスパラガス。


この時期にしか食べられない旬の野菜です。

本当はもう少し暖かくならないと出てこないのですが、

マルシェに並び始めたばかりの初物を

出してくれました。


やさしい甘みと食感が忘れられなくて

またすぐに食べたくなってしまいます。




Langoustine roties, petits pois et feves a la printaniere


えびの中でも、特に好きなのが、このラングスティーヌ。

ちょっと甘えびに似た、まったりとした感じが好き。


ここにも春がたくさん。

グリンピース、そら豆の緑が

エビの赤い色と綺麗なパステル調のコントラストを

作っています。




Agneau de Aveyron marimelo de legumes


こちらに来てから、すっかりとりこになってしまった

子羊は、綺麗なロゼで。

びっくりするくらいやわらかくて

優しい味わいでした。




きっと日本に帰ったら、

あまり食べられないであろう

フレッシュなフロマージュたちも

しっかり堪能。




Tarte aux fraises accompagnee glace a la vanille


お世話になった皆さんへの感謝の気持ちをこめて、

デザートは私が用意。


春のいちごを、

ピスタチオ風味のアーモンドクリーム、

マスカルポーネクリームと一緒に。





もちろん、ワインも豪華メンバー。


それぞれ料理に合わせて

おいしくいただきました。




こんな素敵な会を開いてくれた仲間に

心から感謝。



本当にありがとう!

またいつか、同窓会をしましょうね!!









今日で2月も終わり。



そして、私の1年半のフランス滞在も

とうとう終わりを告げることになりました。



コルドンブルーに通い始めた2006年夏から、

パティスリー、レストランでのスタージュを経て

迎えた、今日この日。



その中で

たくさんの人に出会い、

今まで知らなかったフランスを

たくさん知ることができました。



ここでの日々は、

私の人生の中で、かけがえのない宝物になると思います。







2月の後半は、帰国前の準備で

このブログを更新する時間がとれず、

たいぶ滞ってしまいました。



帰国して、落ち着いたら

遅ればせながら、

ご報告したいと思います。








いつか住みたいと思って、

やってきたフランス。

たくさんのことを経験して、

今まで以上に好きになったフランス。


また戻って来る日まで。



A bientot!!







ローヌの旅、最終日は、

コート・ロティへ。




ローヌ地方の中では一番北側。

リヨンから南下して、すぐのところにあります。


Vienneという駅で電車を降り、

Ampuis村へ。








最初に訪問したのは、こちら。


Domaine Jean-Michel Gerin


Ampuis村の中心から北へ歩いて30分のところにありました。

ちょっと風変わりな人なのだそうで、

家の壁もこんな風に、赤と青。


内装も、丸いカウンターバーになっていたりと

個性的でした。


マダムが対応してくれて、

試飲をさせてもらい、醸造所やカーヴも見学させてもらいました。





こちらは、Chateau d'Ampuis


電車に乗って北上しているときに、ローヌ河沿いに見えていたのですが、

Ampuis村のシンボル的な存在。

ギガルの所有になっていて、

ギガルのコート・ロティには、chateau d'Ampuisの名が

ついているキュベがあります。




コート・ロティの畑。


本当に急斜面で、段々畑。

これだけ急で、一つ一つの畑がせまいと、

畑仕事も並大抵のことではないなぁと

容易に想像できる光景でした。





訪問の予約はしていなかったけれど、

飛び込みでGillesBARGEを訪れました。


初めて飲んだコート・ロティが

このドメーヌのものだったので、

ちょっと思い入れがあるのです。




突然行ったにも関わらず、

快く受け入れてくれて、

中を案内していただきました。


写真は、白ワインの滓引きをしているところ。

途中の味見もさせてもらいました。



試飲させてもらったのは、

コートごとにキュベをわけられたワインたち。

コート・ロティはいくつもの丘の連なりから成っていて、

それぞれの丘で味わいが違うのです。


このドメーヌのすぐ裏手のブドウ畑は、

ちょうどコート・ブロンドとコート・ブリュンヌの境。

飲み比べをすると、やはりそれぞれ味わいが違っていて

とても興味深かったです。





最後に訪問したのは、

Domaine Jean-Michel STEPHAN


最初に訪ねたドメーヌとは真逆の、

Ampuis村から南にはずれたところなので、

結局、村の端から端までを1時間以上歩いたことになったのだけは

ちょっとつらかった・・・(*_*)。


でも、このドメーヌの訪問は、

特別なものになりました。


ムッシュ本人が対応してくれて、

ドメーヌの説明をしてくれ、

カーヴで試飲。


心にしみる味わい。

ああ、おいしいな、と思ったその先には、

ムッシュの顔が重なっていて、

あぁ、この人が作ったワインだからなのか、という

気持ちになりました。


せっかくだから、ワインを買ってかえりたい、

と思ったものの、すでに何本かのワインを

買ってきてしまった私たちは、

手持ちの現金がなく、一文無し・・・。

小さな村なので、もちろんお金をおろすところもありません。


「ぜひともあなたのワインを買って帰りたいんだけれど

実は今、現金がなくて・・・」

「じゃあ、いいよ。一本持っていきなさい。

お金は後で送ってくれればいいから。

さぁ、どのワインにする?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・!!


友人ならともかく、

初めて訪れた日本人に、

そこまでの信頼を置いてくれるとは。


さらには、

村からかなりの距離を歩いてしまい、

駅までの帰る手立てがなくて困っていた私たちを

自分の車で最寄の駅まで送ってくれたのです!


この訪問は、一生忘れられない思い出になりました。




ローヌのワイン畑にふれ、

土にふれ、

食べ物にふれた

5日間。



ローヌは

今までとは全く違う

もっと身近な存在になりました。






ヴァランスを一躍有名にしたレストラン、

ピック。



2007年のミシュランガイドで、

初めて女性シェフが三ツ星をとったレストランです。






せっかくヴァランスまで来たのだから、と

ランチにピックを訪れてきました。





内装は、白、ベージュを基調にした

優しい印象。

適度にモダンで、かつ高級感のある

感じのいい室内でした。




お料理は、

お昼のメニューではなく、

アラカルトで頼むことに。


アペリティフと一緒にでてきたカナッペ。


ちょっと和風の串なども使われていて

モダンな印象。

一つ一つが細やかで丁寧に作られていました。




アミューズは、フォアグラのブリュレ。

ポップコーンがのっているところが

ちょっとおちゃめ。



前菜には、大好物のラングスティーヌ。

キャッビアとうにが交互にのっていて、

固めたジュレがかぶせてあります。


黒いお皿に、ラングスティーヌの白と、サラダのグリーン。

この一皿はとても綺麗でした。




メインは、ブレスの鶏をオーダー。


2部構成で出てきて、

一皿目は、胸肉のルーラード。

四角い皿を前面に使ったドレッサージュは、ちょっと新鮮。

火のいれ方が素晴らしく、

ほんとうに柔らかく、ジューシーで

おいしかったです。





2皿目のブレス鶏はもも肉を

コンソメと一緒に。


やさしい味わいで、

おなかはすでにかなり満腹に近かったのですが、

それでも食べたくなる味でした。


一緒に頼んだワインは白。

Domaine Bernard Gripa Saint Peray 2005


パリにいるときはあまり注目したことの無かった

Saint Peray。


ルーサンヌ、マルサンヌという品種から作られる

このワイン、

アルコール感も感じられず、

繊細でおいしかったです。





プチフールは、3種。

金色の球状のものは、

やわらかい膜の内側はトロリと液体でした。



プレデゼール。


何のソルベだったか忘れてしまいました・・・。


M.CHAPOUTIERのBanyuls


お店の方が、サービスでグラスを出してくださいました。




私が頼んだデザート。

マロンの味を存分に楽しめて、

かつ甘さが残らずすっきりと抜けるあと口でした。




2つ目のデゼール。

おそらくシェフパティシエのサービス。

ショコラのオンパレード。

でも全部食べ切れてしまう繊細で軽い味わい。


ここのシェフパティシエは、

2007年にMOFをとったばかり。


食事の後に、厨房を見せていただき、

シェフともご挨拶できました。




お昼からかなりの金額になってしまったのですが、

本当に満足のいく内容。


サービスも素晴らしく、

来てよかった、と思えるお店でした。



2日目。



ローヌに来れるなら行きたい、と思っていた

シャトーヌフ・デュ・パプに行ってきました。


ヴァランスから南へ、車で約1時間。

地中海にかなり近づき、

プロヴァンス的な趣のある村も、

途中でちらほら見かけました。


初夏になると、このあたりは

ラベンダーが咲き乱れてとても美しいのだそう。



訪問したドメーヌは、こちら。


Domaine de la Janasse



ぱっと見た感じは、

普通の民家。


家の横に、ワインの醸造所と思われる

倉庫などがありました。





試飲させてもらったのは、

赤・白・ロゼ合わせて、全部で8種類。


マダムが対応してくれて、

朝10時に訪れた私たちのために

次から次へとボトルを開けてくれました。





2月だけれど、

南ローヌは桜が満開。


天気があまりよくなかったのだけは

残念でしたが、

ブドウ畑にそって、

綺麗に咲いていました。


予約はしていなかったのですが、

近くまで来ていたので

CHATEAU DE BEAUCASTELを訪問しました。





やはりここは大きい!

広い敷地に、シャトーと呼ぶにふさわしい建物。



結局、正式な訪問と試飲はかないませんでしたが、

中を少しだけ見ることができました。



シャトーヌフ・デュ・パプで一番見たかったのは、

大きな石が敷き詰められているというブドウ畑。


BEAUCASTELの周りの畑は、

まさにそんな畑でした。



丸くて表面がすべすべした大きな石が、

畑にごろごろ!


この石が日中の太陽の熱を吸収して、

夜も畑を温かく保つのだそう。

立派なブドウの木。


葉が茂っていないこの時期だからこそ

幹がよくわかります。

これは、株仕立てといわれる仕立て方。

フランスの中でも南のほうは

この仕立て方をするところが多いのだそう。


きっとかなりの古木だと思われる

力強い姿に見とれてしまい、

いつまでも畑の前を立ち去ることができませんでした。












フランスでの最後の旅は、
ローヌへ。


パリからTGVに乗って、
リヨンを通過し、ヴァランスという街に着きました。


ローヌ地方のワインは、
フランスに来てからそのおいしさを知ったものの一つ。


この地方は、他にも
アプリコットや桃などのフルーツ、
トリュフの産地としても有名です。



たっぷりの水を湛えて流れる雄大なローヌ河。

かなり大きな河なのに、堤防がそれほど完備されておらず、
常に水位は満タン。
一度氾濫すると、かなりの水害になるようで、
このあたりの賃貸物件では、
1階の部屋に住むときには必ず
水害に備えた保険に入らなくてはいけないのだとか。


 


滞在していた街、ヴァランスはTGVも止まる大きな街。


街のパンやさんには、この街のスペシャリテ、
Pogneと呼ばれるブリオッシュ生地の丸いパンや、
Suisseという名の人形の形をしたビスケットがたくさん並んでいました。





お昼は、ヴァランスから少し離れた街にある
二ツ星レストランLES CEDRESへ。




クラシックさがありつつ、
開放的で気持ちのいいお部屋。

週末ということもあり、
地元の人たちが、家族で訪れていました。



一緒に来た友人が、
このレストランのソムリエと仲がいいということもあり、
お料理は、いろいろとサービスしていただきました。

まずは、アペリティフと一緒に出てきたカナッペ。



フォアグラのムースとレンズ豆。




オマールのサラダ、betteraveのラビオリ




ホタテのポワレ。


格子状のチュイールは、ゴマがきいていて
ホタテとよく合いました。


Agneau(子羊)のロティ 


ソースに黒胡椒がきいていて、

一緒にいただいたワインとの相性はぴったりでした。


合わせて飲んだワインはこちら。

Cornas 2000 Thierry Almand


コルナスを飲む機会は、あまりなかったのですが、
彼のコルナスは、華やかで、
かつシラー特有の力強さがあって
とてもおいしかったです。







デザートは2種いただきました。

バニラのアイスと、チョコレートのサブレ。
パッションフルーツのグラス。




お昼からかなりの量を食べて
大満足。


食事の後は、
Tain Hermitageで開かれていたsalon des vinsを訪れました。





Tainの駅のすぐ後ろに連なる丘。


この辺りのブドウ畑は、
こんな急斜面に植えられているのです。

水はけがよく、また太陽の光もたっぷり浴びられる

素晴らしい立地ですが、
ここでの農作業は本当に大変そう・・・・。







平地にももちろんブドウ畑がありますが、
それ以外には、果樹園があって、桃やアプリコットが
植えられていました。

「ブドウ畑と果樹園が交互に並んでいることも多くて、
この辺りのブドウから作られるワインは、桃の風味がしたりするんですよ」と
教えていただき、
つい1週間前にパリで飲んだコンドリューが
白桃の香りがする!と言っていたのを思い出しました。

「だからなんだ・・・!」

ここに来て、初めて
あの甘い桃の香りがどこからやってきたのかを
自分の目で確かめることができました。