先日、特許出願を考えているという医者の方の相談にのっていたときのこと。
お医者様の腕のよしあしについての話に。
やはり一人前になるには医者になってからある程度の年数はかかるとのことでしたが、それよりも大切というか、資質にかかわることは、観察力や注意力であると言っていました。
患者さんが口で伝えることだけではなく、顔色、しゃべり方などちょっとした変化などに気がつけるかが大きく、それを大事にしているとのこと。
そのときにその医者の方から「弁理士さんもそうじゃないですか?」と言われました。
確かに、顔色などから情報を得ることはあまりありませんが、話しの内容や言い回しなどから、発明者の方がどんなことを重要と思っているか、発明者の方が気が付いていない重要な情報はないかなどを探ります。
発明者の方はそれほど特許法などの知識はないので、本当は権利化し得るのに権利化できないと勝手に考えて我々に説明してくれないこともあり、話しの中からそれを見抜いて聞き出すのも大事な技術の一つなのです。
こうした観察力や注意力は全てのサービス業にとって大事なことであると思います。
言葉どおりに受け取るのではなく、五感を通した情報から本当の気持ちや状況などを見抜いて対処できなければお客様を満足させることはできないのですから。
分野は違えど、プロとしての心構えには大差はないのだな、と実感できたよい出会いの夜でした。