今日 11月11日は、スイスの指揮者 エルネスト・アンセルメの誕生日である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ベートーヴェン「交響曲第1番」ハ長調 作品21
■2019/04/02 7:20 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エルネスト・アレクサンドル・アンセルメ(1883~1969)は、スイス西部にあるレマン湖畔の町ヴヴェイ(フランス語圏)に生まれた。
父親が数学(幾何学)者であったためか、ローザンヌの高校を卒業後は、パリのソルボンヌ大学で数学を専攻し、さらにパリ大学で研鑽を積み、数学者としてローザンヌの大学の数学の教授になった。
しかし、音楽の素養のあった母親の影響から、ローザンヌの高校時代より3歳年上でスイス出身のユダヤ人新進作曲家 エルネスト・ブロッホ(1880~1959)に付いて音楽の勉強を開始しており、ソルボンヌ大学では数学と平行して音楽(作曲)も学び続けていた。
大学の数学教授に留まるべきか音楽の道へ進むべきか迷ったため、1909年にベルリンを訪れて指揮者のニキシュ(1855~1922)やワインガルトナー(1863~1942)に助言を求めた結果、指揮者としてやっていく決心を固めた。
翌年1910~11年、ドイツに遊学して、ニキシュらに教えを受け、1912~14年、モントルーのクア・ザール演奏会を指揮。15~18年はジュネーブで活動する。
その間、ストラヴィンスキー(1882~1971)と親しくなり、第一次世界大戦のためスイスに疎開していたロシアの芸術プロデューサー セルゲイ・ディアギレフ(1872~1929)を紹介され親交を結ぶ。
その後、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の創始者 ディアギレフは、1915年のジュネーヴ公演の指揮者としてアンセルメを指名。
最終的に1929年までアンセルメは、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の専属指揮者として、欧米各地を巡業した。アンセルメがバレエ・リュスで初演を担当した作品にはプロコフィエフの『道化師』、ファリャの『三角帽子』、サティの『パラード』などがある。
1918年、アンセルメはジュネーヴにスイス・ロマンド管弦楽団を創立し、67年まで約半世紀にわたって、常任指揮者を務め、スイス・ロマンド管弦楽団を一流のオーケストラに育て上げた。
彼の演奏は明晰な表現の中に豊かな色彩感が加味され、特にフランス、ロシアの管弦楽曲やバレエ作品に定評がある。
今日ご紹介する ベートーヴェンの「交響曲第1番」ハ長調 作品21 は、4楽章よりなり、楽曲構成は以下の通りである。(スイス・ロマンド管弦楽団の実力が遺憾なく発揮されている演奏である。)
・第1楽章:Adagio molto - Allegro con brio
アダージョ モルト - アレグロ コン ブリオ
(とても ゆるやかに - 陽気に速く)
ハ長調 4/4拍子 - 2/2拍子 序奏つきのソナタ形式
・第2楽章:Andante cantabile con moto
アンダンテ カンタービレ コン モート
(アンダンテよりはやや速く 歌うように)
ヘ長調 3/8拍子 フーガ風のソナタ形式の緩徐楽章
・第3楽章:Menuetto,Allegro molto e vivace
メヌエット,アレグロ モルト エ ヴィヴァーチェ
(三拍子の舞曲、非常に速く そして 活発に速く)
ハ長調 3/4拍子 複合三部形式(実質 スケルツォ楽章)
・第4楽章:Adagio - Allegro molto e vivace
アダージョ ー アレグロ モルト ヴィヴァーチェ
(ゆるやかに ー 非常に速く そして 活発に速く)
ハ長調 2/4拍子 序奏付きソナタ形式
↓ リンク(URL)をクリックしてお聴きください。↓
□演奏□ エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団
(演奏時間:約27分)
■■ 「交響曲第1番」ハ長調 作品21 □ アンセルメ、ベートーヴェン交響曲第1番 - YouTube
□参考動画□(演奏時間:約28分)
■参考動画■ 「交響曲第1番」ハ長調 作品21 □ ▶ Beethoven - Symphony No 1 in C major, Op 21 - Thielemann - YouTube