<その三>2004年から今日まで | パリ・オペラ日記

<その三>2004年から今日まで

2004年秋から2006年までに、分からないままに15のオペラを見ました。ほとんどがバスティーユです。バスティーユ以外は、コベントガーデンで2005年5月に<リゴレット>と<ラ・ボエム>、ベルギーのリエージュで<修道女アンジェリカ/道化師>だけです。バスティーユで見て印象に残っているの演目を列挙すると、

<アシジの聖フランチェスコ>  とにかく長かった。途中の演奏で鳥の鳴き声が演奏されていてそれがすばらしいと言われるが、どこの部分だか分からなかった。
<トリスタンとイゾルデ>これも長くて、お尻が痛かった。美術セットはビル・ビオラのビデオのみだが、現代アートの世界にいたようだった。
<フィガロの結婚>舞台設定が少し前のパリの花嫁衣装店で、これだけ原作の設定を変えていることに大驚き。フランス人観客にもアバンギャルドすぎたようで、観客の野次が飛び、それに総裁のモルティエが言い返していた。でも、私は好きだった。
<ランメルモールのルチア>ナタリー・デッセイと美術セットがすばらしかった。
<バラの騎士>初めて、ドイツ系のオペラを面白いと感じた。
そして2007年、このブログを書くきっかけにもなった<ユダヤの女>

といったあんばいです。ここまで書いてはっきりしたのですが、私自身、オペラの「モルティエ世代」なのですね。クラシックな演出のオペラを全くというぐらい見ていないで、パリ国立オペラのモルティエ総裁の提唱する<時代と共に進化する総合舞台芸術>としてのオペラの環境で育っているわけです。

前にも書きましたが、私自身オペラのプロではなく批評を書くこと自体傲慢なことですが、自分が取りつかれてしまったオペラのすばらしさをこのブログで記して、一人でもオペラファンが増えれば幸いと思います。