パキシルと妊娠・授乳 | 産後パニック障害に負けない☆ ワーママ奮闘記

パキシルと妊娠・授乳

やっとこさ見付けましたよ、文献!!


以前の記事にも書きましたが、『お薬と母乳』について世界的な権威である小児科医師からもらった文献の内容をまとめてみたいと思います。(著作権大丈夫かなあせる


もちろん英語のテキストのコピーです。


全部写すと本当に著作権問題になりかねないので、要点だけ日本語訳で掲載しようと思います。



出典:『Medications and Mother's Milk 2006』←少々古いです汗



PAROXETINE(パキシル)


・T1/2(血中濃度半減期):21時間


・Tmax(最高血中濃度到達時間):5~8時間


・paroxetineのM/P比=0.056~1.3と報告されている

注:M/P比とは、薬剤の母親の血中濃度と母乳中の濃度との比で、1で同等、1を超えると母親の血中濃度以上の濃度で母乳を通じて赤ちゃんに薬物が移行する事を表します。


・paroxetine20mgを連日服用している母親の母乳中のparoxetine濃度は、服用して4時間でピークになり7.6μg/Lであったという報告がある。母親のparoxetineの用量は333μg/kgであるが、赤ちゃんに移行する用量は最大でも1.14μg/kgであり、母親の投与量の0.34%程度だと概算できる。


・paroxetineを服用している6人および4人の授乳中の母親の赤ちゃんが母乳を通じて服用する薬剤量は、2試験の平均で母親の服用量の1.13%だった。


・paroxetineを服用している8人の授乳中の母親の赤ちゃんが母乳を通じて服用する薬剤量は、平均で母親の服用量の1.25%だったという報告があり、8人中7人の赤ちゃんの血中からはparoxetineは検出されなかった。(ごくごくわずか過ぎて測定不能ということ)


・最近の試験で、paroxetineを服用している16人の授乳中の母親の母乳中のparoxetine濃度は、母親の服薬量10mgで17μg/L、20mgで45μg/L、30mgで70μg/L、40mgで92μg/L、50mgで101μg/Lであり、16人の赤ちゃんの血中濃度は測定不能レベルだった。(<2ng/ml)


・paroxetineを服用している24人の授乳中の母親(平均投与量17.6mg/day)の血中濃度は45.2ng/mlで、母乳中の濃度は19.2μg/Lだった。



上記以外にもこのような報告がいくつか報告があるようですが、赤ちゃんに有害な作用が出たという報告はありません。このことからパキシルは母乳を通じて赤ちゃんにほとんど移行しないため授乳中でもSAFEな薬剤だとまとめられています。


しかし、妊娠中の使用では、新生児の赤ちゃんに禁断症状が出る場合があるという報告もあるので、Pregnancy Risk Category(妊婦のリスク分類)は2006年ではCでしたが今ではDになっているようです。

注:リスクC=ヒトでの比較対照研究がなく、動物実験での胎児へのリスクを証明できない、又はないもの、つまり「リスクについて否定できないもの」で、ほとんどの薬剤がここに分類されます。

 リスクD=催奇性等のリスクがあることが示唆されている薬剤ですが、妊娠中にその薬剤を使用することがリスクを上まわるベネフィットがある時には、臨床上必要に応じて使用することが認められる薬剤です


Lactation Risk Category(授乳婦のリスク分類)L2です。

注:L2=比較的安全である。



お薬を飲みながらの妊娠・授乳は、医師はもちろん、家族ともよく話し合って決断しなければならない深刻な問題だと思います。


私はたまごママネットというサイトも非常に参考にしていました。

http://www.tamagomama.net/contents/pd.html


今日はここまでです合格