↓ 読売新聞(2013.10.7) より
食用フグの最高級品といわれる日本近海の天然トラフグが、資源量枯渇の危機
に直面している。
全国の水揚げの約4割が集まる「フグの本場」として日本一の取扱量を誇る山口
県下関市の南風泊(はえどまり)市場では、2012年度の取扱量が過去40年間で
最低となり、ピーク時の6%にまで激減した。
乱獲が原因とみられ、専門家は「このままでは絶滅してしまう」と警鐘を鳴らして
いる。
↓ Wikipedia より
トラフグの漁場、日本海や瀬戸内海に面する下関市の南風泊市場は、日本最大
の天然フグの市場として圧倒的な取扱量を誇る。
連日、山口や福岡県沖を始め、遠くは秋田県沖でとれたフグも水揚げされ、「下関
ブランド」のフグを求める大消費地・首都圏などへ出荷されていく。
だが、山口県水産研究センターによると、取扱量は1987年度の1891トンをピーク
に減少傾向が続き、2008年度以降は100トン台で推移。
12年度は109トンまで落ち込み、統計が残る1971年度以降、最低となった。
乱獲による資源量減少は、クロマグロやニホンウナギでも深刻な問題となって
いる。
天然トラフグの現状について、水産庁は80年代に価格が高騰して乱獲が進んだ
結果とみる。
縄の先に多くの針をつけてごっそりと捕獲する「浮きはえ縄」の漁船が急増した
ことに加え、冷凍技術の発達で、需要が下がる春以降も漁を続けられるように
なったという。
独立行政法人・水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県廿日市
市)は11年度、日本海、瀬戸内海、東シナ海に生息するトラフグの総重量
(資源量)を866トンと推定。
「漁獲量をせめて年間147トン以下に抑えれば、資源量を回復できる」との試算を
公表した。
だが、11年度の三つの海での漁獲量は266トンに達した。
20年近くフグ漁に携わる下関市の漁業男性(54)は「絶滅してしまうとの意識は
あるが、誰かがとるから、自分もとらざるを得ない」と複雑な思いを明かす。
山口県水産研究センターの天野千絵・専門研究員は「操業はフグの価格が
上がる秋から冬に限定し、産卵期の春から成長期の夏にかけては禁漁にする
など、対策を取らなければ絶滅する恐れもある」と強く訴えている。(古藤篤)
トラフグ・・・条鰭綱フグ目フグ科トラフグ属
体長:約70㎝
太平洋北西部、日本海西部などに生息。
食用魚として有名。白子は精巣にあたります。
胸ビレ横の白く縁取られた黒色斑が特徴。
神経毒であるテトロドトキシンを持ちますが、蓄積毒の為、養殖で
無毒化に成功しています。
甲殻類、小魚、貝類などの肉食性。
↓ 『グラバー図譜』 より 幼魚と見られます
世界的にも珍しいフグ食文化を持つ日本ですが、縄文時代の貝塚からフグの
骨が発見されており、更に2万年前にまで遡るとも云われます。
つまり、追い込んでいるのは日本人、という事になりますね・・・
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