「アイルランドの巨人」に安らかな眠りを | パンデモニウム

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日々の気になるコト・モノを万魔のごとく脈絡なく取り上げていきます

※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

 ↓ AFP(2011.12.23) より


身長が2メートル以上もあったことから18世紀の英ロンドン(London)で世間の

注目を集めたアイルランド人、チャールズ・バーン(Charles Byrne)の骨格標本

は、博物館から出して故人の望みどおり海葬にすべき――。

英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、

BMJ)」に寄せた論文のなかで医学専門家らがこのように提唱した。

身長が約2メートル30センチもあったバーンはロンドンで一躍人気者となったが、

1783年に22歳の若さで死亡した。

バーンの遺体に特異な関心を示したのが、著名な外科医で解剖学者だった

ジョン・ハンター(John Hunter)だった。


 ↓ The TallestMan.com より  当時の挿絵


パンデモニウム-チャールズ・バーン01


バーンは生前、自分の遺体がハンターの標本コレクションに加えられることを

恐れ、自分が死んだら海葬にしてほしいと話していたという。

だが、ハンターはバーンの友人たちに金を渡し、イギリス海峡(English Channel)

で海葬される前に遺体を入手。

遺体を骨格だけが残るまでゆで、自身の骨格標本コレクションの目玉にした。


 ↓ ROYAL COLLEGE OF PHYSICIANS OF IRELAND より


パンデモニウム-チャールズ・バーン02


その後、バーンの骨格はロンドンの王立外科医師会(Royal College of Surgeons

)内にあるハンタリアン博物館(Hunterian Museum)に展示されるようになり、現在

に至っている。

ロンドン大学クイーンメアリー校(Queen Mary, University of London)のレン・

ドイアル(Len Doyal)名誉教授らが書いた論文は、成長ホルモンが過剰に分泌

される先端巨大症や下垂体の研究にバーンの骨格標本が役立ったことを認めた

うえで、もうバーンの遺志をかなえ、海で安らかな眠りにつかせるべき時期だと

主張している。

バーンのDNAはすでに採取されており、今後の研究にはそれで十分で、博物館

には骨格のレプリカを展示すればよいとしている。

しかしハンタリアン博物館のサム・アルバーティ(Sam Alberti)館長は、バーンの

骨格は現在でも家族性下垂体腺腫の研究に役立つなどその価値は高く、教育・

研究上の観点から骨格の保管を続けることを検討していると述べた。



巨人症(gigantism,giantism,macrosomia)

  ・・・成長ホルモンの分泌過剰の為、四肢の骨が長くなり、身長が異常に伸びる

   病気。

    大人になってから発症すると、手足や内蔵、顔の一部が大きくなる為、先端

   巨大症、末端肥大症と呼ばれることも有ります。

    巨人症自体は命に関わる病気ではありませんが、適切な治療を受けない

   と、通常より寿命が10年前後短くなると云われています。


チャールズ・バーン(Charles Byrne;1761~1783)

  ・・・別名:チャールズ・オブライエン,「アイルランドの巨人」

    21歳の時、アイルランドからロンドンへ移り住み、見世物小屋で働き、

   たちまち人気者に。

    しかし、人気が去ると酒に溺れるようになり、1783年、アパートで死んで

   いるのを発見されます。この時、22歳でした。



現代では献体が当たり前ですが、日本で最初の献体が1868年、献体に関する

法律が制定されたのは、実に1983年まで下るのですから、当時の事情は推して

知るべし、ですね。


しかし、明確に死後の処遇を訴えていた訳ですから、そのようにされるべきかとは

思います。



参考記事:「『ザ!世界仰天ニュース』 脳の暴走」



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