『ベストハウス123』 呪縛 | パンデモニウム

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日々の気になるコト・モノを万魔のごとく脈絡なく取り上げていきます

※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

21日の 『ベストハウス123』 は、

「一通の手紙が人生を変えた!

 恐怖!獄中の連続殺人鬼に洗脳された女」

でした。


1979年、アメリカ・ロサンゼルス。

ヴェロニカ・コンプトン(Veronica Compton)は、無名のシナリオライター。

ある大物俳優が主演するミステリー映画の脚本を依頼され、

全力を注いで執筆に取り組んでいた。

だが、どうしても行き詰まってしまう部分があった。それは殺人の感覚。

その時、あるニュースが目に留まる。


市民を恐怖に陥れた「ヒルサイド・ストラングラー(絞殺魔)」が、

ついに逮捕されたというニュースだった。


1977年末から1978年初頭、ロサンゼルスを恐怖のどん底にたたき落とした

二人組のシリアル・キラーがいた。

ケネス・ビアンキ(Kenneth Bianchi) と アンジェロ・ブオーノ(Angelo Buono)

である。 従兄弟同士である二人は、12人(番組では14人)もの女性(12~28歳)

をレイプし、拷問の末絞殺。

遺体を小高い丘の中腹に無造作に棄て去ったことから

「ヒルサイド・ストラングラー(絞殺魔)」 と呼ばれた。


↓ ケネス・ビアンキ


パンデモニウム-ケネス・ビアンキ00


ヴェロニカは脚本の為、拘置所に電話をかけた。
電話で彼女はケネス・ビアンキに殺人について聞いた。

すると、ビアンキはヴェロニカの脚本は子供騙しだと全てを否定した。

「私が書くのは、あくまでフィクション。あんな男のことなんか、忘れるべきよ。」

そう思ったヴェロニカは、連続殺人事件の資料を全て処分した。

だが、彼女の中でビアンキの存在が大きくなっていった。

そして、ヴェロニカはビアンキに再び電話をする。

すると、ビアンキは

「俺を感じるんだ。ケネス・ビアンキという人間を、お前の全身でな。

俺は、お前を感じたぞ。お前、誰かに虐待されただろ。」 と言い出した。

ヴェロニカには、幼い頃、実の兄に毎日のように虐待され、

12歳の時には、売春組織に誘拐され8ヵ月も監禁された経験が、本当にあった。

誰も知らないはずの過去をビアンキにえぐられてしまった彼女は、

動揺が隠せなかった。

ヴェロニカは、いつの間にか、ビアンキのことばかり考えるようになっていた。


そんな、或る日のこと。

ヴェロニカの脚本は殺人の描写が甘く、子供騙しと言われ却下された。

ヴェロニカは辛さから逃れようと、ドラッグに溺れてしまう。

極限まで追い詰められた彼女は、或ることに気が付いた。

自分が、頼れるのは連続殺人鬼ビアンキしかいないことを。
ヴェロニカは、彼にドラッグに溺れていることを打ち明けた。

ヴェロニカの心は、ビアンキに完全に支配されていた。

それからヴェロニカは毎日欠かさず拘置所へ通うようになった。

すると、ビアンキは「一緒に住まないか?」と言い出す。

ヴェロニカが方法を聞くと、「お前の脚本、あれの通りに、殺人を実行するんだ。」

と言い出した。

彼女がビアンキに送った脚本の内容は、

  若い女性が次々と襲われる連続殺人事件。

  遺体には、男の体液が残され、犯人逮捕は時間の問題だと思われた。

  だが、犯人は一向に捕まらない。なぜなら、真犯人は女性。

というもの。

ビアンキは彼女に、自分の体液を隠した本を渡した。


1980年ワシントン州ベリングハム。

この町のバーでヴェロニカは、一人の女性に目を付ける。

ヴェロニカは、意気投合したふりをして、ホテルで飲みなおそうと女性に言い、

用意しておいた部屋に誘い込んだ。

そして、ヴェロニカは一心不乱に女性の首を絞める。

だが、絞め殺すのに彼女は非力すぎた。ヴェロニカ・コンプトン、逮捕。

下された判決は、第一級殺人未遂。
これで、ビアンキと同じ側の人間になれる。彼女は、喜びを感じていた。


ところがビアンキの本当の狙いは、

自分と同じ手口の殺人事件をヴェロニカに起こさせ、警察を混乱させること。

そして、あわよくば犯人は他にいると、主張するつもりだったのだ。

ヴェロニカは、ビアンキに利用されただけ。

その証拠に、彼女が逮捕された直後、ビアンキは彼のファンだという女性と

獄中にいながら婚約。ヴェロニカは、ビアンキに捨てられた。


連続殺人鬼に洗脳され殺人未遂まで犯したヴェロニカ。

逮捕から15年の2003年、ヴェロニカ・コンプトン仮釈放。

現在は人知れずどこかで、暮らしている。




番組の内容は以上の様なものでした。

そこから受ける印象は、ままならない人生を送っている女性が、

狡猾な殺人鬼の巧みな話術によって、徐々に洗脳され、

結局、いいように利用されてしまった・・・というところでしょうか。

確かに、シリアル・キラー(特に秩序型)には、カリスマ性のある者、

知能の高い者、話し上手な者がいます。

しかし・・・



「プリズン・グルーピー」 と呼ばれる、囚人(特にシリアル・キラー)を

恋愛対象とする人々がいます。

ヴェロニカ・コンプトンは、女優志望、詩人志望、小説家志望の一方、

『プレイボーイ』誌にヌード写真を送りつけたり、

有名になれれば何でも良かった女性だったようです。

モルグ(死体安置所)に忍び込んで、屍姦する計画を立てていた事も

後に判明しています。

ビアンキに捨てられた後は、

「サンセット・スレイヤー」=ダグラス・クラーク(4人の売春婦を殺害後、屍姦

していたシリアル・キラー)に夢中でした。


一方のケネス・ビアンキが獄中結婚した相手の、

シャーリー・ブックも、やはり「プリズン・グルーピー」でした。

全く相手にされなかったテッド・バンディから、ビアンキに乗り換えたのです。


こうなってくると、洗脳されたという表現にも些か違和感を覚えます。

(思い込みを募らせた、とも見えます)

ヴェロニカがビアンキを利用していた、とも言えますし、関係性の見え方が

変わってきますね。


「プリズン・グルーピー」 は、日本でも存在し、獄中結婚まで至るケースも

有ります。








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