【思うこと】フリーデザイナーAさんのケース | ぱんだ30の華麗なるミソジへの助走♪

【思うこと】フリーデザイナーAさんのケース

前の会社で一緒に働いていたデザイナーAさんに会ってきました。
その人は前社に入る前からフリーで仕事をしていた方です。
結局またベンチャーに入ることにはなったものの、独立も視野に入ってきた私は、近況報告も兼ねて話を聞きに行きました。


「6割営業、4割デザインといった感じですよ」
と、Aさん。


フリーで食べていくには、デザイナーは相当厳しいようです。
特にお金の問題。
WEB製作は近年簡単に作れる本やサービスが出回っている為、「簡単に作れる」という感覚があり、安く見られてしまうそうです。

クライアントの中には「お友達価格」で仕事を頼まれる時もしばしば。でも受けないと食いつなぐことができない。
仕事に追われていく内に、年齢的にも再就職が難しくなってくる。募集要項でもマネジメントなど上級職になってしまうようです。


話を聞いていてなるほど…と思いながら、
私は一方で別の事を考えていました。


本当は年齢は問題じゃないと思うんです。
少なくとも、前の会社で一緒にお仕事をしていた時に、彼の問題は「年齢」が一番ではなかった。
それは仕事がやりやすい・やりにくいのレベルではそうかもしれないけど、結局は「会社の中で自分の仕事をどう増やしていくか」という姿勢が彼には欠けていたのです。
フリーランスの処世術として備えていた「テキトウにやる上手さ」は逆に仇でした。


会社で働くということは、技術うんぬんよりまず「社の一員になる」ことが大前提にあって、

社内を理解し、どこの部分が欠けていて、自分だったらこう埋めることができる…そういった提案を会社は求めていたのです。


現場の本音を聞いたことがありますか?


彼の代わりに私がパンフレットの仕事を引き継いだ時のことでした。
技術者に会いにいったらこう言われました。


「彼はウチの会社の製品を知ろうとしない」


だから、デザイン案を出しても何度もリテイクを出したのです。

しかしAさんは

「デザインに理解のない人相手だから、このレベルでいいだろう」
と判断していた。


聞いた所「本来の10%の力で作っていた」そうです。

それが内容にも表れていた。
いくらデザイナーとしてキャリアや技術を持っていてもこれでは誰も仕事を頼みたがりません。


デザインを見る目の無い相手だからと手を抜く。
苦手なこと・できないことは避けて通る。


多分、それが分かっていて克服できていたら、
もっとお金を稼げるデザイナーになっていたと思います。
でも、逆にそういった所のベストマッチができれば
彼はもっと能力を発揮できたのではないかと思うのです。
例えばデザインの事務所の契約社員や成果報酬型の在宅とか。


帰宅後、Aさんから
「いつか私を(そちらの会社に)引き抜いてくださいね~」
というメールをもらい、ちょっと寂しい思いをしました。


彼と一緒にお仕事できそうにはありませんが、いつかベストマッチなお仕事を紹介できたらいいなぁ、と思います。



…あれ、私、何を聞きにいったんだっけ?


「フリーのデザイナーで食べていく方法」だったよね…?

それは自分で考えるしかないのかしら。ううう。