だいぶ前、別の会社で働いていた頃。
朝の通勤電車で、運よく席に座れていたものの、
頭の中は、当時の上司への怒りで一杯でした。
顔を見たら爆発しそう、と怒りが沸点にきそうだったとき。
ポン、と肩を叩かれたのです。
肩をたたいたのは、隣の席に居た、小さな男の子でした。
楽しそうににこにこと笑っています。
彼は、白髪のご婦人に抱かれていました。
「まぁ、ごめんなさいね~」とご婦人に声をかけられ、
それをきっかけに、この男の子とぽんぽん叩きあって遊びました。
そうしているうち、会社最寄の駅に到着。
バイバイしながら駅のホームに立ったとき、
あれほどの怒りがすっかり消えていたのです。
あのときの怒りは、どこに消えたのか?
男の子がポンと肩を叩いたとき、天に昇っていった。
そんな気がします。
わたしにとってはエンジェルです。
数日前、今の会社の部署の急な方針転換に、
煮え切らない思いを感じていました。
お昼休みに会社の近くの公園のベンチに座り、
ため息をついていたとき。
小さな男の子が、母親の制止を振り切って、
とことこわたしのところに来て、
にっこり笑いかけてくれたのです。
ナンパする少年のような、魅惑的なほほえみ、
ウインクすらしそうな勢いで。
「もう!・・・ごめんなさいね」と
お母さんから言われましたが、
この男の子の笑顔をみているうちに、
煮え切らない思いはどこかへいってしまいました。
わたしにとってはエンジェルです。
数日前、会社の近くの公園で、
満開の八重桜を見に行っていたとき。
八重桜の下でぼんやり座っていて、
こんな気持ちの良い日に
会社戻りたくないなぁと考えていたところ、
走り回っていた小さな男の子が、
にこにこ笑いながら、言葉にならない言葉をかけてくれました。
愛想のよい男の子で、花見客に微笑みかけながら走り回っていました。
わたしにとっては、エンジェルです。
このエンジェルズは、
ただ笑いたかったからわらう、
近づきたかったから近づく、
ただそれだけで、他人をなごませる存在。
そしてわたしたちひとりひとりの中に、
このようなエンジェルはいるはずなのです、きっと。
愛と感謝