しのぶ恋こそまことなり。

この言葉を知ったのは、漫画の「はいからさんが通る」だったと記憶しています。両想いまでの片想いのプロセスは否定しないけれど、しのぶ恋がまことって、いったい?腑に落ちない言葉でした。


最近、この言葉の出典がわかりました。「葉隠れ」です。しのぶ恋とは、男性同士(武士同士)の恋を指しているという説もあります。


相手が誰で、どのような性であろうと、恋は恋。

実ってしまえば、相手の関心がより自分に向くことを期待し、要求さえしてしまうだろう。自分もまた、相手のために、自分の時間と労力を費やしてしまう。相手の関心をより惹くために。

それはすでに、自分の人生ではなく、相手のためというよりは、相手をコントロールしたい欲求にすぎなくなる。


しのぶ恋は、実ることも期待せず、終わらせようとも思わない。

相手を想うだけで幸福感が湧き、相手が気づこうと気づかなかろうと、相手のために自分ができることをする。気づいてもらうことを意図せずに。

その想いと行動が、武士道的な「誠」なのだと思います。


そして、恋でなくても、自分のしたいこと、好きなことに対しての行動は、見返りや賞賛のためにすることではなく、ただ、するだけ、なのだと思います。

ただ、そうしているのが自分にとって自然だから。

ただ、好きだから。


愛と感謝