「海のハンター展」の内覧会に行ってきました | 化石の日々

化石の日々

オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
化石に関する話題,ときどき地球科学,その他雑多な話題を書いていきます。

2016年7月8日より国立科学博物館にて、海のハンター展 という実に夏らしい企画展が開催されます。
その内覧会に行って参りました。



最近の科博さんの企画展で多い「コンセプト」の展示ですね。
脊椎動物の「捕食」をテーマにした展覧会で、多くの研究者のみなさんが関わられているようです。

このブログの趣旨らしく、古生物に注目して見所を紹介したいと思います。
まず、古生物としての最初の見所は、ショニサウルス(Shonisaurus)。


近年、チラチラと見かけることが増えてきた推定全長21mの魚竜。その頭骨の復元です。
こうやって写真で見るとピンと来ないかもしれませんが、隣に立つとその大きさがよくわかります。

このショニサウルスと同じコーナーにあるのが、フタバスズキリュウ(Futabasurus)の実骨化石です。


フタバスズキリュウの化石は、科博日本館でも展示されていますが、この標本はこの展覧会のために収蔵庫から出してキタものとのことです。立派な標本です。

そして、上を見上げると、キタキタ。個人的には今回の企画展で最も注目していたメガロドン(Carcharodon megalodon)の生態復元模型。


全長12.5m。研究者曰く「世界でいちばん綺麗な復元模型」とのことです。
歯をはじめとして、細部までこだわってつくったとのこと。
メガロドンの模型としては、埼玉県自然の博物館の模型も有名で、そちらの写真は、今月発売の拙著『 古第三紀・新第三紀・第四紀の生物 下巻  』に収録してありますので、あわせてご堪能ください(^^;
それにしても、スゴイ迫力です。この大きさ、洒落になりませんね。

もちろん、この企画展は、古生物だけではありません。
目立つのは、サメ類標本の充実。



多くの標本が比較的高い位置につられており、歯の観察などがしやすいばかりではなく、「襲われる感覚(研究者談)」が味わえるようになっています。

そして、そうしたサメ類標本の中でも見所となっているのは、ホホジロザメの液浸標本です。


こちらもすごい迫力です。水族館で使われる水槽と同じ容器に入れられているそうです。さすがの生々しさで、見ていて飽きません。

その他にも、鳥類や海棲哺乳類、爬虫類などのさまざまな標本など、「海の捕食者」をキーワードに展示が組まれています。
研究者曰く「水族館で動いているものを見るのも良いけれど、博物館でこうして“止まっている姿”を見ることで、細部まで観察できる」とのことで、たしかに思わず時間の経過を忘れてゆっくり見たくなります。
ソファとか設置されて、カフェとか置かれていたら、かなりヤバいですね(^^;
1日ゆっくりといたい。そんな空間でした。

海のハンター展は、7月8日から10月2日まで。

詳細は公式ホームページで→ http://umi.exhn.jp/

【宣伝】
メガロドンにいろんな関するお話。
実物大の化石標本画像とともに収録してあります。7月下旬発売予定。