ニュースになる死に方 | 美崎の幸心日記

美崎の幸心日記

なんでもないこと
気ままに書きます。

050804_1131~01.jpg私のバイト先の目の前に、駅がある。
人が倒れたり、もめごとがあったり、救急車が来るのは日常茶飯事。でも昨日は、まず救急車が1台、そのあとに消防車が4台、パトカーが1台次々に到着した。ものすごいサイレンの音と、駅の方のスピーカーから叫ぶような放送が聞こえてくる。
もしやテロ!?と、店内のお客さんも一時騒然となった。
気になって店長が駅まで様子を見に行くと、どうやら飛び込み自殺があったようだ。
飛び込んだ自殺者は即死が目で見て明らかなものの、電車の下敷きになったままで救出に手間取っているらしかった。
30分程かかって遺体は収容され、救急車で運ばれていったが、その後の検証やなんだかんだで随分電車は止まっていたようだ。
通過電車のない駅での飛び込みは少ない。
何を思って飛び込んだのか。
暑くて晴れた夏のお昼前に、考える力も残っていない程絶望していたのかと思うと切ない。

昨日の夕刊に載ったらしいと今朝聞いた。私も夕刊を見てみたけれど、家に届いた新聞では取り上げられていなかった。
今、もし私が病気で死んでもニュースにはならない。彼は大袈裟な死に方を選んだとしか事情を知らない赤の他人の私には受け取れなかった。沢山の人に迷惑をかけ、残さた家族に多額の賠償金を背負わせ、めちゃくちゃに悲しませニュースになった。
電車の下敷きになったのは想定外かもしれないが、飛び込んだ瞬間の勇気は何の勇気だったんだろう。
何が大切だったんだろう。
誰でも『死んでしまいたい』と考えたことはあるはず、だけど自殺するには人生最大の勇気がいるらしい。
スカイダイビングするより、注射するより、告白するより、へそピアスを開けるより、大きな買い物をするより、ミニスカートをはくより。
しょぼい私は、ニュースにならない死に方をしたい。