ふだん着のコーチング

ふだん着のコーチング

ふだん着のコーチングを推奨している、メンタルコーチ&公認心理師の川本です。2019年扶桑社様より『1日3分でうつをやめる。』を出版しました。
このブログではメンタルへルスやコーチングビジネスに関する情報をお届けしています。よろしくお願いします。


もう15年ほど昔の話になります。

 

当時僕はIT企業の社員をしていました。

そしてうちの奥さんは看護師をしていました。

 

 

奥さんは新卒からずっと大学病院に勤務していました。

外科、婦人科、泌尿器科と異動をした後、

小児科で副師長をしていました。

 

 

看護師は彼女にとって天職で

 

「大変だけどやりがいがあるし楽しい」

 

といつも言っていました。

 

 

それがある日の夜、

暗い表情で突然こう言い出したんです。

 

 

「看護師辞めようと思う」

 

 

小児科の大変さは聞いていたので

やっぱり応えているんだなと思いつつ

話を聞いていくと、辞めたい理由を話してくれました。

 

 

「これまで他の科で亡くなる人をたくさん見てきた。

 そのときは確かに辛かったり悲しかったりしたけど

 ほとんどの人が年配だったから、心のどこかで

 「人生を最後まで頑張って旅立ったんだな」

 そう思うことで悲しさを忘れてこれた。」

 

 

「でもね。子どもたちが死んでいくの。

 まだ未来がたくさんあるのに。

 それなのに私たちは、本当に何もできなくって」

 

「ドクターもね、ナースも一生懸命やってる。

 でもどうにもならない。だからみんな潰れていく。

 退職したナースも何人もいる。

 みんないい子だったけど、辛かったんだと思う。

 私もやっぱり辛い。だから辞めたい」

 

 

大学病院の小児科は、白血病や小児がんの子がほとんどです。

やっぱり治療を頑張っても、どうにもならないこともあります。

 

 

奥さんだけでなく他のナースの人や、介護職の人など

人の命と日々向き合っているみなさんの話を聞く機会があります。

 

頭ではわかっているけど、実際「誰かの命の行く末」を目の当たりにすると

悩むこと苦しむことがたくさん起こります。

 

 

それゆえにバーンアウトする人もいます。

うちの奥さんもその寸前でした。

 

 

そのカミングアウトから数日後、

彼女の意識は変わりました。

 

 

「バーンアウトするナースを助ける」

 

 

それが彼女の使命になり、

僕もそのサポートをすることになりました。

 

これが僕ら夫婦のコーチングの始まりです。

 

あれからいろいろあって

奥さんは現場に戻りました。

現場の中でコーチングを使って

スタッフや患者さんをサポートしています。

楽しそうにやっています。

 

僕は「うつの人」というテーマで

コーチングを続けています。

 

その過程で、メンタル不全の人と

日々向き合うことの多い職業の人、

そうです、医療・福祉分野のみなさんと

コーチングを通してつながっています。

 

 

支援者がバーンアウトしないこと

 

これは、とても大事なことです。

なぜなら支援者の存在が支えになる人も

たくさんいますから。

 

そんな支援者が自信をもって

そしていきいきと働けるように。

 

それが僕のコーチングの使命のひとつです。

 

 

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