アクセス解析を見ていたら、ヒキガエルの毒について検索している方がいらっしゃることに気がつきました。
そのうち、毒についてもまとめたいと思っていたので、この機会に少しお話したいと思います。
「ヒキガエル」という言葉で連想するものは、一般的にはいいものではないと思います。
犬や猫、小鳥やウサギみたいな、「かわいい!」「触りたい!」と思う人は少ないですよね。
原因はさまざまですが、一つとして、毒があげられるのではないでしょうか。
ヒキガエルに限らず、多くのカエル・イモリなどの両生類は皮膚から毒を分泌します。
もちろんあの可愛いアマガエルだって毒を持っているんですよ。
爬虫類と違って、ウロコがない両生類は皮膚がむき出しですし、なおかつジメジメした細菌が繁殖しやすい環境に住んでいるわけですから、その皮膚を細菌やウィルスから保護するためにどうしても必要なわけですね。
ただ、こっちの毒は抗菌作用程度なので、そんなに気にするようなものではありません。
よほど皮膚が弱いか、傷口に直接こすりつけない限りは、人間がどうかなることはないと思います。
しかし、ヒキガエルにはさらに強力な毒があります。
その名もブフォトキシン!ブフォはヒキガエルの学名で、トキシンは毒の意味です。フグ毒のテトロドトキシンのトキシンと同じですね。
ヒキガエルの鼓膜の後ろにある「耳腺」と呼ばれる器官から分泌される、乳白色の猛毒です。
いわゆる神経系・ステロイド系の毒素で、皮膚に付いた場合は炎症が生じます。もし、誤まって口にした場合は、神経系・循環器系に重大な障害を生じ、幻覚・嘔吐・下痢・心臓発作などが引き起こされ、最悪の場合は死にいたります。
人間で経口摂取はまずないと思いますが、散歩中の犬がヒキガエルにちょっかいを出して、泡を吹いて倒れたという話は聞いたことがあるのではないでしょうか。犬や猫は致死量も少ないので、本当に気をつけたほうがいいですね。
怖いことをたくさん書きましたが、これはヒキガエルが自分の身を守るために身に付けたものです。
ヒキガエルはアマガエルのように高く飛ぶことも、トノサマガエルのようにスイスイ泳ぐこともできません。
他のカエルより捕食される危険性が高いからこそ、最終手段の猛毒を身につけたのです。
つまり、よほど命の危険を感じない限りは彼らが毒を出すことはありません。私も飼育して1年、何度も手に乗せたり、お腹をつかんだりしていますが、一度もその毒を見たことはありません。
意地悪しなければ、彼らがこちらになにかしてくることは100%ないので、毒を過度に怖がる必要はないんですね。
私の3歳の姪っ子は、ヒキガエルが大好きになってくれて平気で手の上に乗せていました。
扱いさえ間違わなければ、子供だって触れる大人しい生き物なんですよ。
相手のことをよく知って、たくさん可愛がってあげてください。
ただし、触ったあとは必ず石鹸で手を洗うことは忘れないように!動物と触れ合う基本ですね。
あと、彼らにとっては人間の体温は少し熱いので、長時間触るのは控えてあげてくださいね。