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お久しぶりです.少し期間が空いてしまいました

今日は覚醒について脳の話も交えしたいと思います.

自分は老健なので回復期の意識障害の患者さんとはもう随分関わっていませんがね…

老健にも覚醒が悪い方がいてどういうメカニズムで意識障害が晴れていくのか気になったので調べてみました.

ネコの脳破壊実験・電気刺激実験により,覚醒状態の維持には脳幹網様体の興奮が視床を介して大脳を興奮させる必要がある.

網様体は部位の名前ではなく様々な方向に走行する神経線維の集合体をいう.
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網様体を構成するニューロンは中脳後部から橋前部にかけて青斑核のノルアドレナリンニューロン、背側縫線核のセロトニンニューロン、外背側被蓋核と脚橋被蓋核のアセチルコリンニューロンなどが大脳に投射線維を送っている.

外側視床下部のオレキシンニューロンは強い覚醒作用があります.


さて興奮作用のあるノルアドレナリンニューロンを活性化させるにはどうすればいいでしょうか.

ノルアドレナリンニューロンは感覚刺激(視覚・聴覚・体性感覚)に対して相動性の反応を示し覚醒もあがります.

青斑核は覚醒時最も活動するとされています.

覚醒が不十分な患者(目覚めるがウトウトする人)では青斑核を賦活させる必要があると考えられる.

体性感覚入力以外にも…
青斑核の活動を起こさせるのは,継続している行動を妨害し注意を振り分けるような刺激が入った時は活動が高まるとされている.
 また全ての感覚刺激に反応しますが,特に痛み刺激に対してはより反応します.

つまり、歩行や立位を漠然と繰り返すのではなく聴覚や視覚刺激をいれ注意を維持させることが覚醒向上には重要であると考えられます.

病棟では早期に車椅子座位を確保し食堂など出て日常生活でも刺激をいれていく必要があります.

なのでより病棟と協力し覚醒を向上させ廃用を防いでいくかが重要です.
これは理学療法や作業療法士にしかマネジメントできないです.

なので訓練に固執するのではなく病棟の生活も考えアプローチできるといいですね.