PD

パーキンソン病(パーキンソン症候群)は高齢社会となる中で増加してくると思います.

患者さんを診る上でいつも思うのはとても難しい!

ということです.

中にはなかなか機能向上しない症例もいます.
特に重度であればあるほど…

今日は生理学,治療を少し話したいと思います.

まずは簡単にドパミンと経路について説明したいと思います.
⚫︎生理学
黒質緻密層(SNc)のドパミン性作動ニューロンは線条体,特に被核に軸索を伸ばす.
D1レセプターを介して直接経路に対して促通的に働く.

D2受容体を介して間接路に対して抑制的に働く.
つまり,ドパミンは運動全体を促通させる効果があります.

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さて… 経路の役割を簡単に書くと
直接路:抑制の抑制 ➡促通効果

間接路:抑制の抑制の抑制 ➡抑制効果

パーキンソン病では直接路を抑制し,間接路を興奮させるため,結果的に抑制が強くなってしまいます.


⚫︎治療
Miyaiらは免荷式トレッドミル(BWSTT)と運動療法の効果について検討している.

対象;10人のパーキンソン病患者(HY stageⅡ-Ⅲ,平均年齢 67.7歳)

方法;BWSTTを4週間行う群と通常の運動療法を行う群で比較.

検討項目;UPDRS、10m歩行

結果;BWSTT群では優位に改善したが,運動療法群では有意な改善はみられなかった.


その他の文献では音楽療法群ではUPDRS partⅡ、Ⅲのうち特に動作緩慢の項目や情動面評価で改善がみられたとの報告もある.

パーキンソン病(パーキンソン症候群)では様々なアプローチがあるが、症例の病態によりアプローチを選択していく必要がある.


パーキンソン病(パーキンソン症候群)では外発的cueを与えたtaskを取り入れることがある.

例えば線を跨いだり,1・2・1・2と数を数えたりなどなど…


外発的cueを与えた場合、外側運動前野の脳血流の増加がみられる.

これは小脳ー運動前野経路による随意運動制御が行われている.

これらは直接的な基底核の血流増加には繋がらないため、基底核を賦活させる事は困難である.

パーキンソン症候群などでは基底核を賦活させていく必要がある.

内発的な運動(日常生活に近い環境で)を取り入れその中で姿勢制御の難易度を決めれたら基底核も賦活するのではないかと思います.

何が違う所などあると思うのであればご指摘頂けたらと思います.

最後までありがとうございました.